DAZN人事。買収失敗のBTからCMOを引き抜き。
DAZNの人事がいくつか発表されているので紹介します。
まずはCMO(最高マーケティング責任者)に就任したPete Oliver氏。前職はBTで、BT Sportsのマーケティングチームを7年間率いてきたとのこと。BT Sportsの買収に失敗したのは記憶に新しいところですが、会社は買えなくても人を呼ぶことはできたようです。
Roni Maman氏はカスタマーサクセスを担当するEVPに就任。前職はオンラインカジノを運営するEntainで、現CEOのShay Segev氏と同じですから、CEO自らが引き抜いてきたという感じでしょうか。
カスタマーサクセスというのはカスタマーサポートをより積極的にしたもので、収益の柱はサブスクリプションですから、顧客との長期的な関係を築くことがお互いにとってのサクセス(成功)であるという発想に基づきます。問い合わせ対応などの単なる受け身なサポートではなく、能動的に働きかけていくことが求められます。
今後グローバルサービスとして成功を収めるためには、顧客の声に耳を傾け、対話していくことが重要です。とくに日本はサービスの品質に厳しい市場と言われますから、日本で寄せられた声をどこまでフィードバックしていけるのかは気にすべきところです。
Entain社からは、4月にCOOを務めていたSandeep Tiku氏が辞任し、DAZNのCTO(最高技術責任者)に就任しています。これらの動きはDAZNのスポーツベッティング参入の成否を握っています。
巨額の損失覚悟で成長を追い続けるフェーズは終わりました。急拡大にともなう痛みも顕在化しています。契約数の増加にも限界が見えつつあり、顧客単価を引き上げること、そして収益源を多角化することが大きな課題です。まぁ、いままで置いてきぼりにしてきた感は否めませんけど、顧客に向き合う姿勢を打ち出してきたこと自体はいい変化でしょう。
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