ISU、IOCの分配金減で赤字。放映権料のアジア依存も明らかに。

6月上旬にタイ・プーケット島で開催されたISU(国際スケート連盟)の総会。そこで示された前年度の決算と今後の見通しが話題となっています。


この総会の模様はYouTubeで配信され、現在も視聴可能です。財政に関する話は16分ごろから始まります。

昨年(2021年)の決算については260万スイスフラン(約3.6億円)の赤字となりました。コロナ禍によるグランプリファイナルなどの主要大会の中止が影響したと言えます。


また、2022~24年の予算については、3年間の合計で2,270万スイスフラン(約32億円)の赤字となる見通しを示し、さらなるコスト削減が必要であると訴えています。

赤字の原因は収入面と支出面の両方にあるのですが、収入面で言うとIOCからの分配金が年1,100万→900万スイスフランに削減されることがあげられます。分配金の金額は競技団体ごとに格付けされていますが、今回とくにスケートのランクが落ちたというわけではなく、冬季五輪の種目全体で削減されています。北京五輪は中止や延期こそ免れたものの、感染対策などでコストが増加したことの影響を受けたと言えます。

収入面においては、およそ半分を放映権料に依存しています。ISUはフィギュアだけでなくスピードスケートやショートトラックも管轄していますが、やはり屋台骨となっているのはフィギュアです。年間1,800万スイスフラン(約25億円)程度の放映権料を見込んでいますが、そのうち65%がアジアからだと公表されています。


動画では、アジアの中でもとりわけ日本の割合が大きいという発言があり、日本からの依存度は相当に高そうです。羽生選手に続くスターを輩出する必要がありますし、もちろんスターに頼らない財政基盤の確立も急がねばなりません。

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