Jリーグの戦力均衡とDAZNマネー
改めてこの記事を読み返し、ついでに宇都宮徹壱さんの有料記事も読んでしまいました(^^;
そこで気になったことが、DAZN(パフォーム・グループ)がJリーグに目をつけた理由のひとつとして「戦力均衡」をあげているということ。確かに毎年いくつかのビッグクラブだけが優勝を争っているリーグとは違う。
戦力均衡はもともとアメリカンスポーツでは当然の考え方で、そのための制度としてドラフトがある。しかし、ヨーロピアンスポーツでドラフトが存在しないサッカーにおいて、戦力均衡が成り立っているリーグというのは珍しいのだろう。
とはいえ、最近は上位チームが固まりつつある感もあるので、DAZNマネーをどう配分していくかは今後の課題。各チーム均等の分配金のほか、上位チームに与えられる賞金や「理念強化配分金」というものもある。世界と戦っていくにはビッグクラブの存在にも意味があるので、うまく両立してくれることを願う。
戦力均衡が大事だというのは、パフォーム・グループの主要顧客の中にブックメーカーが含まれていることと無関係ではないだろう。もともとパフォーム・グループはスポーツに関するさまざまなデータを販売している企業であり、その中でライブ映像を自前で配信しているのがDAZNというサービスである。ブックメーカーにとって貴重なデータを提供することは、オッズをつける側にも、それを見て購入する側にもメリットをもたらす。
プレミアリーグでレスターが優勝したときには1001倍という恐ろしいオッズが付けられていた。日本の競馬で単勝が1000倍ついた例は聞いたことがない。日本の競馬は売上金を的中者に配分する方式(パリ・ミューチュアル方式)なので、もともとそんなオッズが発生することはまず有り得ない。(サッカーならサポーターが購入してくれるだろうし)
なので、基本的に優勝争いがビッグクラブに偏るプレミアリーグだからこそ平気でこんなオッズがつけられるし、それゆえにレスターが起こした奇跡は1001倍以上の価値がある。戦力均衡が成り立っているリーグであれば、もっと適正なオッズがつけられるし、賭ける側も真剣になって予想する。それはブックメーカーをより活性化するはずだ。
さて、ヨーロピアンスポーツとアメリカンスポーツの違い、というのはこれからもいろんなところで論点になってくるはずなので、今後も個人の研究課題として記事にしていくつもりです。
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