米fuboTV、スポーツベッティングから撤退。

アメリカのネットテレビ企業であるfuboTVは、昨年開始したスポーツベッティング事業からわずか1年で撤退しました。


10/17に発表された第3四半期決算では、契約者数が122万人に達し、利益も当初の予想を上回ったとしていますが、その一方で子会社のFubo Gamingを閉鎖し、昨年11月に開始したスポーツベッティングサービス「Fubo Sportsbook」を直ちに停止しました。

ストリーミングサービスは過当競争にさらされており、またマクロ経済の悪化によって戦略の見直しを強いられています。NetflixやAmazonもその例外ではありませんが、fuboTVも最近になって従業員の整理を実施したとのこと。


スポーツベッティング事業を手がける理由としては、ライブ視聴の付加価値を増すことがあげられますが、そのためのインターフェースの開発には多額の費用がかかります。また、アメリカではスポーツベッティングが解禁となったものの、また全米規模ではなく、州によって規制内容も異なるため、その対応にもコストがかかるようです。

fuboTVはスポーツベッティング参入にあたりVigtoryという会社を買収しましたが、どうやら自社開発に見切りをつけていたようで、3か月前には事業の見直しを公表。新たなパートナー企業を探していましたが、それもうまくいかずに早期の撤退を選択しました。

ネットテレビでは大手のHulu Live TVやYouTube TVといった競合と戦い、株式上場も果たしたfuboTV。スポーツ分野でも注目されており、カナダでプレミアリーグの放映権を獲得したことでも知られています。しかし、スポーツ分野での拡大はここでひと区切りとなりそうです。


プレミアの権利を奪われたのはDAZNですが、DAZNもまた最近になってスポーツベッティング事業への参入を果たしています。スポーツ専門の業者ですから、気合いの入り方は違うはずです。同じ轍を踏まないようにして頂きたいと願うばかりです。

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