女子W杯、欧州5大国の放送いまだ決まらず。

7月に開催されるFIFA女子ワールドカップですが、イギリス・スペイン・イタリア・ドイツ・フランスのいわゆる欧州5大リーグがある国において、いまだに放送局が決まっていないとのこと。


放送局側が提示した放映権料は100万~1,000万ドルと、男子の1~2億ドルと比べて遥かに低い水準であり、FIFAとしては首を縦に振れない状況。FIFAのインファンティーノ会長は、このままでは放送させないこともあり得ると事実上の脅しをかけています。

この問題、およそ半年前にも記事にしているのですが、何も進展していないことに驚きです。昔の記事じゃないかと何度も確認してしまいましたが、紛れもなく昨日(5/2)付でした。

もちろんFIFAとしても、今回の大会で賞金を大幅に増額し、将来的には男子と同額にする計画を立てており、そのための資金は必要なのですが、放送局側もすでに上がり切った男子の放映権料を支払ったうえで、さらにそりに近い額を女子に費やす体力はありません。


FIFA側は、男女平等の建前とは裏腹に、実際のオファーとはこんなもんかと道義的に非難しているわけですが、FIFAはFIFAでこれまで競争を煽ってきたことの責任を感じるべきでしょう。


今回はオーストラリアとニュージーランドの共催であり、時差の関係でヨーロッパ諸国では深夜から朝にかけてのキックオフとなります。日本でもアメリカ大陸で開催される試合は朝になるため、しばしば放送されなかったりするケースがありますけど、今回は逆の立場となっているわけですね。

上記の記事はイギリスBBCのものですが、BBCもまたワールドカップの放映権獲得に参加している放送局のひとつです。イギリスでは女子ワールドカップが無料放送を義務付けられた「クラウンジュエル」に指定されていますので、BBCか民放局のITVのどちらかが権利を獲得する必要があります。


BBCとITVが共同で放送するという情報も流れていたようですが、この記事では「放映権の交渉事にコメントはしない」と肯定も否定もしていません。公共放送のあり方についてはイギリスでも日本でも問われていますが、大切な文化資産であるスポーツ大会を放送することに意義があるとは言え、調達コストは安いに越したことはないわけです。


欧州ではEBU(欧州放送連合)を通じて28か国で無料放送されることが決まっており、またFIFAは未発表のものを含め156か国・地域の放送局と放映権契約を締結済みとのことですが、要はまだ女子サッカーがお金にならないところが先に決まるのであって、お金になりそうなところはもう少し時間がかかりそうです。


そして、日本もまだ放送局が発表されていない国のひとつです。先の156か国・地域の中に含まれているかは分かりません。時差が少ないので強気の交渉になっていそうではありますが。


なお、壮行試合となる7/14のパナマ戦は日本テレビで放送されることが発表されています。

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