自転車ロードレース界に悲しみ。安全対策を急げ。
自転車のツール・ド・スイス第5ステージで、地元スイスのジーノ・メーダー選手が亡くなる事故が発生しました。下り坂で転落したとのことで、時速100km前後のスピードが出ていたのではと推定されています。
先日のジロ・デ・イタリアでも出場メンバーに選ばれていましたが、直前でコロナ陽性となり欠場。ツール・ド・フランスに目標を切り替えていました。ちなみに、ジロには代役として新城幸也選手が急遽出場し完走しています。チームメイトを失う悲しみは表現しきれません。
ヘルメット以外は生身で走るロードレースですが、安全対策はまだまだ遅れていると言わざるを得ません。ヘルメットの義務化もそんなに昔のことではないのです。
しかし、具体的にどんな対策をするかと言われるとかなり難しい。プロテクターを着用する提案も出ていますが、今度は重さや暑さ対策が課題となります。下り坂をコースに組み込むこと自体を制限すべきという意見もありますが、競技性がだいぶ変わることになるでしょう。
しかし、ようやく重い腰を上げるようで、チーム、レース主催者、そしてUCI(国際自転車連合)が資金を出し合う形でSAROC(Safe Road Cycling)という安全対策を検討する組織が立ち上がると報じられています。ツール・ド・フランスの開幕前には正式なアナウンスが出るものと思われます。
SAROCの構想は、2020年のツール・ド・ポローニュでファビオ・ヤコブセン選手がゴール直前の接触により顔面に大けがを負った事故から始まっているようです。ヤコブセン選手も選手生命が危ぶまれましたが復帰を果たし、先日のベルギー・ツアーで勝利。天を指さしメーダー選手に勝利を捧げました。
ビジネス面を含め、脆弱な面が次々と浮かび上がっているロードレース。そろそろ根本的に立て直し、洗練されたスポーツに生まれ変わる必要がありそうです。
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