アイルランド競馬、規制強化でピンチか。

アイルランドでギャンブルの広告規制が検討されており、テレビ中継がなくなる危機にさらされているとのこと。現在審議が進められている法案では、午前5時半から午後9時までギャンブルの広告を禁止することとなっており、実施されれば事実上競馬中継では流せなくなります。

同様の規制は他国でも検討されており、イギリスではプレミアリーグが自主的にギャンブル系企業を胸スポンサーから外す方向となっていますが、競馬とギャンブルは切り離せない存在です。


かつてはたばこの広告規制が進み、とくにモータースポーツ界で大きな影響が及びましたが、こちらは現在他のスポンサーを見つけて何とか存続しています。現在、たばこのパッケージには大きく健康に害があることを明示するようになっていますが、ギャンブルについても同様の対策がとられることは充分考えられます。


また、広告とはどのレベルを指すのか。CMがダメなことは分かりますが、オッズを載せることもダメなのかなど、いろいろと細かいところで議論になりそうです。

もうひとつ、ギャンブル業者に課している税金(賭事税)の引き上げも検討されているとのこと。現在は売上金の2%ですが、これを2.5%に引き上げる案が出ています。


これは純粋に業者の利益を圧迫しますので、それを回収するにはオッズを下げることになります。そうなれば客離れが進み、売上が減ることで税収もかえって少なくなるかもしれません。そこはバランスをとってやっていくしかないでしょう。

この記事には「エクスチェンジ賭事」という言葉が登場します。従来のブックメーカーがオッズを提示して客が賭けるやり方ではなく、オッズ提示も客が行うというのが大きな違いです。業者はオッズを提示する客と賭ける客をマッチングして、手数料を徴収します。


こうなるとギャンブルというよりは株式市場のようなものであり、賭けというよりは投資に近い性質を帯びてきます。とは言え、全体としてはゼロサムゲームである以上、投資にはならないわけですが。


そうなると怖いのがインサイダー取引。従来のギャンブルでも内部情報を持つ者の関与は禁じられていますが、さらに身分の確認が厳しくなっていきます。もっとも、それで健全な市場が形成されるのであればむしろそっちのほうがよいのかもしれませんが・・・。

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