WNBAの超新星が物議。NBAと放映権共同販売も?

女子バスケットボールのWNBAで先日開催されたドラフトでは、アイオワ大学のケイトリン・クラーク選手が全体1位の指名権を持つインディアナ・フィーバーから予想通りの指名を受けました。クラーク選手は3ポイントを得意とし、「女ステフィン・カリー」という異名も。

ESPNで放送されたドラフトは240万人の視聴者だったと報じられています。昨年の約60万人から実に4倍増という数字であり、どれだけ注目が高かったかが分かります。

そんなクラーク選手ですが、初年度の年俸が約1,200万円だと報じられており、男子のNBAとは大きな差が生じています。この格差にアメリカのメディアは大きく反応しており、バイデン大統領までもがコメントを出すほどに。

WNBAの規定では、ドラフト全体1~4位の選手については最初の4年間の年俸が決まっており、初年度は76,535ドル。その後78,066→85,873→97,582ドルと上昇していきます。4年間の合計は338,056ドル(約5,200万円)となります。

男女格差の話題はどうしても荒れがちです。WNBAについては、NBAよりもシーズンが短く、試合数が少ないことにも留意する必要があります。リーグ全体の収入金額が大きく異なる以上、配分できる金額にも限りがあります。


当ブログらしく放映権料の話をすると、NBAは年間26~27億ドルであるのに対し、WNBAは6,000万ドルで実に40倍以上の差となっています。これは全米向けの金額であり、各球団が保有するローカル放映権は含まれていませんので、実際にはさらに差が広がるものと思われます。


NBAは現在、2025-26シーズン以降の放映権契約の交渉中です。WNBAも同じタイミングで契約の区切りを迎えるため、ここで生じる問題が「NBAとWNBAの放映権はセットで交渉すべきか」というものです。現在はセットで交渉していますが、クラーク選手の登場にとって別々に交渉したほうがいいのでは?という意見が強まっています。

NBAのアダム・シルバーコミッショナーは、両者のシーズンの重なりが少ないことをふまえて、セットで交渉したほうがよいのではとコメントしています。サブスクの場合、オフシーズンがなく通年で提供できるコンテンツのほうがよいという理屈ですが、我田引水であることも否めません。今後WNBAが試合数を増やしたいと考えたとしても、このことが制約条件となってきます。

クラーク選手は学生時代からスポンサーが付き、多くの収入を得ています。WNBA入りにともない、ナイキとの合意が近づいていると報じられています(8年契約で総額2,800万ドルとの記事あり)。契約が成立した暁には、独自ブランドのバッシュが販売されることになります。

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