丸ちゃんに30億払える読売パワー。
2年連続MVP。FA宣言中の広島・丸選手が巨人入りするとのこと。
読売グループ的には「ナベツネ死亡説」なんてガセネタを流されて迷惑を被った直後のよいニュース。今期も補強に余念がありません。
5年30億円以上の契約を用意しているとのこと。これは全盛期のゴジラをも超える金額だし、ならば菅野選手にはいくら払うの?という話にもなるんでしょうけど、ここで取り上げるのはどこからそんなお金が出るの?という話。
かつては1試合につき1億円以上とも言われた地上波の放映権料も、現在は2,000万円程度まで下がっているのではないかと言われている。放送はBSが中心となり、地上波ではデーゲームが増えた。もともと巨人戦は全部ナイターで、デーゲームで開催されるのは照明施設がない札幌・円山球場での開催くらいだったのが嘘みたい。
もちろん子供が帰る時間などを考慮すれば、土日はなるべくデーゲームで開催したほうがよく好ましい状態ではあるけど、放映権料の収入はかつてよりも激減している。ただ、他球団よりはまだ恵まれていると言える。DAZNには参加していないとはいえ、BS日テレとNHKがかなりの割合で試合を放送している。無料放送はやはり強い。
でも、プロ野球球団の経営はすっかり変わっており、親会社からの補填に頼らず、独立採算が求められるようになってきた。最近では単年で黒字化を達成したと発表している球団も増えている。流れが変わったのは、やはり例の球団再編問題。楽天が新規参入し、ソフトバンクがダイエーを買収したあたりから、地域密着を打ち出す球団が増えてきた。全国区の巨人に対抗するには、地域に根付く必要がある。Jリーグ型のビジネスを逆に取り入れたとも言える。
放映権料のほかにも収入源はいろいろあるのだけど、とくにスタジアムを管理する権利を持つことが重要。権利がなければ使用料は高くつくし、スタジアム内の広告からの収入は得られないし、飲食や売店の売上からもロイヤリティーを支払わなければならない。多くの球団がこのことで苦しんできた。
権利を得るには、親会社がスタジアムを保有(または出資)するか、指定管理者になるなど自治体の支援を受ける必要がある。前者の例ではソフトバンクや横浜DeNA、後者の例では楽天やロッテがあげられる。
さて、現在スタジアムを自分で管理できず、借りているだけの状態の球団は3つ。日本ハム、ヤクルト、そして巨人。日本ハムは先日北広島市への移転を決定。ヤクルトについては、かつて松山への移転が囁かれたこともあるが、とりあえず高年俸の選手が少ないのでなんとかやり繰りしている感じ。
で、残るは巨人なのだけど、もちろん読売新聞社も読売巨人軍も非上場なので詳しい財務状況はわからない。身の丈にあった経営をしているかは疑問。
ただし、かつてよりは減ったとはいえ、放映権料は他球団よりまだ恵まれているし、アンダーアーマーとのスポンサー契約もあるし、侍ジャパンの興行を読売新聞社が行っていることも大きい。「球界の盟主」はそう簡単には倒れなさそうです。
今後の懸念点は、やはり読売新聞の収入減。発行部数も減っているし、ネットからの収入はそれを補えているとは言えない。毎年恒例の大型補強がいつまで続くのか、まったりと眺めることにでもしましょう。
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