国立競技場、W杯再招致を視野に増席へ。
国立競技場について、ピッチサイドに仮設の座席を増設することで8万人を収容可能にする計画があると報じられています。
先日、国立競技場の運営の委託先として、NTTドコモやJリーグを含む共同事業体が優先交渉権を得たことが発表されています。契約期間は2025年から30年間で、事業体は総額528億円を国に納めることとなります。
この件に関する是非はともかく、やはり疑問となっていたのがJリーグが参加することの意味でしょう。日本サッカーの長期的な目標として、2050年までにワールドカップを再招致、そして優勝というものがありますが、現在のワールドカップの開催基準ではメイン会場に8万人以上が収容できることが条件となっていました。
国立競技場から陸上トラックを撤去し、球技専用とする案は以前から何度か取り沙汰されてきましたが、今回の募集要項では「球技専用スタジアムへ変更する提案は不可」と明記されています。
また、事業目的にはコンサート等の「文化的行事」での利用も含まれています。コンサートでは重い機材を設置する必要があり、天然芝のピッチ外にスペースが必要となります。また、事業体に参加したNTTドコモは、会場外の「音漏れ」対策として自社の技術を実証実験すると発表しています。
2025年には世界陸上の開催が決定していますが、逆に言えばそれ以降は陸上の大きなイベントは予定されていません。陸上界も一時は譲歩の姿勢を見せていましたので、決して固執しているようには見えません。
今後の活用を見据えた場合、今回の仮説席という案はもっとも合理的だと言えますし、裏返せばそれ以外の選択肢はない、最大公約数の妥協点だと言うこともできるでしょう。
ちなみに、私事ではありますが、本日7月13日に国立競技場を訪れる予定です(Jリーグ・FC東京vs.新潟戦)。昨年も一度訪れているのですが、自分の目で改めてよく見てみます。
都心のスタジアムと言う点では、神宮外苑の再開発にともなう秩父宮ラグビー場と神宮球場の建て替え問題は、先日行われた都知事選の争点にもなりました。また、築地市場跡地の再開発についても、5万人規模の多目的スタジアムの建設が予定されています。
スタジアムの問題はどうしても荒れがちです。政治が絡みますし、地域それぞれに異なる問題があるため、一概に何かを決めつけて語るわけにもいきません。そして、異なる競技、さらにスポーツ以外のエンタメも混在するため、それぞれの利害調整が必要です。
よくネットでは野球とサッカーの対立といった観点で語られがちで、さらにトラック撤去という点では陸上も巻き込まれがちなのですが、当ブログとしてはさまざまな競技を愛好する立場から、そういった論戦には参加するつもりがないことを記しておきます。海外の事例も含めて、参考になる情報については今後も発信していきます。
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