Amazonボクシング中継、日テレ系の制作に。

7月20日に開催され、Amazonでライブ配信された「Prime Video Presents Live Boxing 9」。田中恒成選手の試合が対戦相手の計量失敗により中止になるというアクシデントはあったものの、全試合KO決着という派手な内容となりました。


さて、今回の中継はこれまでAmazonが配信してきたボクシングとひとつ違う要素がありました。従来はフジテレビが映像制作を受注していましたが、今回は日本テレビ系の制作会社であるAXON(日テレアックスオン)が制作しています。

5月の東京ドーム興行では、フジテレビのアナウンサーのほかに、日本テレビの鈴木健アナが実況を担当していました。鈴木アナはボクシング中継のスペシャリストとしてこれまでWOWOWやDAZNなどでも実況しています。最近は現場を求めて他社の中継に出演することは決して珍しくないのですが、いまにして思うとこれが伏線だったのかもしれません。

今回変更された事情はよく分かっていません。主催者である帝拳プロモーションはフジとも日テレとも関係がありますので、両社を立てたかったのか。あるいはAmazon側に何かしらの不満があったのか。


日本テレビはかつて放送していた「ダイナミックグローブ」をU-NEXTに渡す形となりましたが、制作は引き続きAXONが担当しており、ボクシング中継のノウハウを残しています。一方、フジテレビはAmazonからの受注以外でボクシング中継を行っていません。格闘技全般に広げても、一昨年「THE MATCH」の放送を断念したのが響いているでしょうか。


ちなみにダイナミックグローブは通常土曜日の開催ですが、前回は7月19日(金)に開催され、今回のAmazonとは日付がずれています。これは偶然なのか必然なのか。

ジャパンコンソーシアムの一員として両局ともにパリ五輪にアナウンサーを派遣していますが、残ったアナウンサーの中でボクシングの経験に差が出たというのはひとつの仮説となるでしょうか。もっとも、あくまで今回限りであり、今後はまたフジに戻るとか、交互になるといった可能性も充分考えられます。


今回の中継では、元日テレの船越雅史さんも担当されていました。諸事情によりアナウンサー職を離れていましたが、定年退職を機にまた現場に戻ってきています。テレビのスポーツ中継が減少していく中で、アナウンス技術の継承もまた大きな課題です。

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