Bally Sports、Comcastとの契約復活で再建なるか。
経営再建中のBally Sportsの運営会社であるDSG(Diamond Sports Group)は、4月末に契約が終了していたCATV大手・Comcastと再契約に合意したと発表しました。これにより、8月1日から放送が再開しています。
CATV会社がチャンネルを提供する側と揉めるのはありがちなのですが、多くは数日で決着するもの。今回は関係修復に3か月を費やすことになり、その間に多くの契約者が離れていったであろうことは想像に難くありません。
DSGは6月にも再建計画の承認を得る予定でしたが、この問題によって先送りとなっており、Comcastとの関係修復は必須条件でした。逆に言えば、ComcastはDSGの生殺与奪を握る立場にあり、簡単には引かなかったことになります。
今回の交渉の鍵となったのは、Bally Sportsをより料金が高い「Ultimate TV」プランに移動させるというものです。DSG側は当初拒否していたのですが、結果的にこれを受け入れることになりました。スポーツの放映権料は、他のチャンネルを視聴しているユーザーも圧迫しており、相応の負担を求める動きは今後も広がっていくと考えられます。
Comcastは「Ultimate TV」プランに移行するユーザーに対して3か月間無料で提供することをあわせて発表しています。これにより、MLBだけでなく、秋に開幕するNBA・NHLのファンも呼び戻すことを狙っています。
DSGにとっては、今後MLB・NBA・NHLと合意し、改めて再建計画の承認を得ることが当面の目標となります。
話は変わって、MLBは7月24日から自らのチャンネルである「MLB Network」を、CATVなどを介さずに直接ストリーミングで視聴できるようにしています。また「MLB.TV」の契約者に対してもMLB Networkが視聴できるようになるとのことです。
Bally Sportsが保有するMLBの権利は基本的にローカルのテレビ向けのもので、インターネットの権利はあまり持っていません。なので、この件によって再建計画に大きく影響することはないのですが、MLBとしては今後状況がどう変化するかを見定めているところです。将来的にはCATVを通さず、自らがローカルの放映権も管理していく体制に移行することも充分視野に入ります。
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