NFL、放映権契約の延長を画策か。

現在、世界一の放映権料を稼いでいるスポーツリーグと言えばNFLであり、現在の契約は2023年からの11年間で総額1,050億ドル(1年あたり95.5億ドル)というとんでもない金額です。さらに、YouTubeと結んでいる年20億ドル(NFL Sunday Ticket)などが加わります。


これ以上成長する余地はあるのか?と疑問に感じてしまうところですが、NFL自身はもっと金額をつり上げたい意向です。現行の契約では、2029年に契約を早期解除できるオプトアウト条項がついているとされますが、NFLはそれよりも前倒しで権利者との再交渉を進め、契約をさらに1~2年延長したいと考えているようです。

2025-26シーズンから、NBAの新たな契約サイクルが始まり、放映権料は従来の約2.5倍にあたる1年あたり69億ドルとなりました。ローカルや海外向けの放映権料を加えると90億ドルに迫る規模に達し、NFLを急速に追いかけています。


NFLはローカル放映権も一括管理ですし、海外向けの放映権料は微々たるもので、DAZNに販売している「NFL Game Pass」が年間1億ドルとされる程度です。NFLにとってNBAの躍進は大きな脅威だと言えます。裏を返せば、まだまだ伸ばすチャンスがあるとも感じているでしょう。


いわゆるアメリカの4大プロスポーツにおいては、NHLが2027-28シーズン、MLBが2028年をもって全米向け放映権の区切りを迎えます。とくにMLBについては、従来各球団が販売していたローカル向けの放映権をMLB側である程度管理し、新たなパッケージに再編成する意向を打ち出しています。これらがまとまる前に、先に動いてしまおうということのようです。

一時は人気の低迷が伝えられてきたMLBですが、最近は復調傾向とも言われており、テレビの視聴者数は昨年よりも増え、年齢層も若干の若返りを見せているとされます。その要因を解読するのは難しいのですが、時間短縮をねらったルール改正が功を奏しているとも言えますし、若年層をターゲットとしたメディア戦略の効果だとも言えそうです。

以下、アメリカ4大スポーツの主な放映権料についてざっとまとめておきます。


  • NFL
    • 全米向け: 2023-24シーズンから11年契約、総額1,050億ドル(1年あたり95.5億ドル)
    • YouTube(NFL Sunday Ticket): 2023-24シーズンから7年契約、年20億ドル
    • Netflix(クリスマスゲーム): 2024年から2年契約、年1.5億ドル
    • DAZN(NFL Game Pass): 2023-24シーズンから10年契約、年1億ドル
  • NBA
    • 全米向け: 2025-26シーズンから11年契約、総額760億ドル(1年あたり69億ドル)
    • ローカル: 年14億ドル程度と推定されるが、旧Bally Sportsの破綻処理などで現在は若干減っている
    • 海外: 年6.5億ドルと推定される
  • MLB
    • 全米: 2021年から8年契約、1年あたり約19億ドル
      • ※ESPNとの契約(年5.5億ドル)は今年限りで解除される予定。現在後任探し中
    • ローカル: 年20億ドル程度と推定されるが、現在は若干減っている
    • 海外: 年1.5億ドル程度と推定
  • NHL
    • 全米: 2021-22シーズンから7年契約、総額44億ドル(1年あたり6.3億ドル)
    • カナダ: 2026-27シーズンから12年契約、総額77億ドル(1年あたり6.4億ドル)

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