米NBC、スポーツチャンネル復活か。
アメリカのNBCユニバーサルは、2021年に閉鎖したスポーツチャンネル「NBCSN」の復活を検討していると報じられています。
NBCSNで放送していたスポーツコンテンツは、同系列のチャンネルである「USA Network」と、ストリーミングの「Peacock」に移管されていました。今後はストリーミングへのシフトを加速していくと思われた中で、方針を転換したのでしょうか。
背景としては、2025-26シーズンからNBAの放映権を獲得したことの影響が大きいとされています。NBCが支払う放映権料は年間25億ドル程度と推定され、あの手この手で回収しなければいけません。また、今シーズン限りでESPNが手放すMLBの放映権についても名乗りをあげていると報じられており、USA Networkでは手狭になりそうです。
NBAの放映権料はPeacockの経営を圧迫し、先日3年連続となる値上げを発表したばかりです。CATVの契約者は年々減っているとは言え、全米でまだ6,500万世帯あるとのこと。その一方で、Peacockの契約者数は4,100万件にとどまっており、Peacockの拡大が最優先事項であることは変わらないにしろ、従来のCATVの視聴者層を無視するわけにもいきません。
ただ、従来のNBCSNは多数のチャンネルとのセットでしたが、新しいチャンネルは提供の仕方を変えるようです。最近ではスポーツ系のチャンネルをより高額なプランで提供するケースも増えてきましたので、その一部に組み込まれることを検討しているとのこと。スポーツコンテンツは高額であり、コスパを求める顧客からは分離を求める動きが強まっています。
NBCは、USA Networkを含む有料チャンネルを運営する会社「Versant」を設立し、本体から分離したばかりです。新たなチャンネルもVersantの傘下に入るものと想定されますが、このあたりの経営戦略にも微妙な変化が出てくるかもしれません。
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