DAZNは録画可能なの？「デスクトップキャプチャ」の懸念点。

春スポーツが続々と開幕しているこのタイミングだからこそ、そろそろこの禁断のテーマに触れざるを得ませんね。

DAZNに対してあがる不満のうち「録画できない」は間違いなくトップクラス。

もっとも、この制約は他のOTTサービスでも同じ。ただ、DAZNは見逃し視聴の期間が短く設定されているため、より不満を増幅させている。

※これは何度でも強調するけど、今後実装が予定されているダウンロード機能は視聴期間の制限を解除するものではなく、「録画」とは言えません。

他のサービスでもコンテンツは永続するわけではなく、契約が終わればサーバから消滅する。例えばNetflixではディズニーが撤退してコンテンツを引き上げたのだけど、こちらはさほど話題にはならなかった。というのも、そもそも日本のNetflixではディズニー作品が配信されていなかったから…なわけですが。

すでにディズニーは独自のサービス「Disney+」の立ち上げを発表。また、Huluの約60%の株を握っていることから、将来的には両者の統合も視野に入るでしょう。

…ちょっと話がそれました。要するにOTTサービスにおるコンテンツはあくまでもサービス側がユーザーにライセンスを貸与するものなので、これを録画OKだと言ってしまうとコンテンツの提供者に申し訳が立たない。なので、DAZNにしろ他のサービスにしろ、問い合わせたところでOKだとは決して言わないだろう。

ただ、このことがユーザーの利便性を損ねていることは明白であり、業界全体で広く議論したうえでルールが整備されることを強く願うものであります。

こういった議論は、ビデオデッキが登場したときのいわゆる「ベータマックス事件」を代表として、技術の進歩にともない連綿と繰り返されているわけで。4K・8K放送でも録画禁止？という議論が出たりしております。

さて、ここからが本題なのですが、ストリーミングに施されているコピー防止技術(いわゆるDRM)を勝手に解除する行為は日本の著作権法で明確に禁止されている。

しかし、それとは別に、世の中には「デスクトップキャプチャ」と呼ばれるソフトウェアがある。単純にいえば、画面に映った画像とスピーカーから流れる音声をそのまま取り込むことで動画を生成するというもの。主な使い道としては、YouTubeなどで名物コンテンツとなっている「ゲーム実況」があげられる。(ゲームの制作会社は一定の条件のもとで動画配信を容認する姿勢をとっている)

この原理であれば、DAZNに限らずNetflixもHuluもAmazon Primeも、さまざまなOTTサービスのコンテンツを動画ファイルにすることができる。

さて、問題はこの行為が合法か？という話。合法だと謳っている会社もあるけど、具体的には判例が出てみないと正直分からない。筆者は法律の専門家ではないので、迂闊なコメントをするわけにもいかない。

ポイントとしては、このソフトウェア自体はDRMの解除を行っていないということ。なので、やっていることはモニターの前にカメラを置いて撮影するのとさほど変わらない。

だから違法行為はしていないと解釈するのか。それとも、実質的に解除しているのと同じだとみなして違法とするのか。いまのところはグレーゾーンの中にある。

ということで、最後にDAZNの利用規約から一部を抜粋しておきましょう。ここまでで触れた内容が規約に反映されていることが分かるかと思います。

ただ「ストリームキャプチャー」という表現が、DRM解除前のものを指すのか、それとも解除後のものを指すのかについては曖昧な感じがしますね。サーバから直接ぶっこ抜くといった利用法であれば明らかに前者なのですが。

DAZNの規約ってスポーツバーなどでの商用利用について明文化されてなかったり、いまいち甘いんですよね。でも、その甘さすらあえてやってるんじゃないか？という気にさせてくれたりもするわけですが。

※なお、本記事は違法行為を推奨するものではありません。いまのところグレーであるというだけで、あくまでご自身の判断にてお願いします。

2.4 当サービス及び当サービスを通じて閲覧されるコンテンツは、加入者の個人使用に限ったものであり、非営利使用に限定されます。当サービスにご加入いただくと、加入者には、当サービスにアクセスし、当社コンテンツをストリーミング配信のみによる方法で閲覧することができる制限付の、非独占的、譲渡不可能なライセンスが付与されます。上記の制限付使用許可のほかには、いかなる権利、所有権又は利益も加入者には移転されません。加入者は、当サービスを公の場で上映するために使用しないことに同意します。

7.1.3　当サービスの全部又は一部を複製、記録もしくは保存しないこと（但し、アプリケーションの機能上、当社が許可するものを除きます。）、もしくは流用、再共有、再送信、ストリームキャプチャーをしないこと、もしくは当サービスの全部又は一部を他人に配給せず、又は他人にこれらをさせる権限を付与せず、他者がこれらをすることを可能にせず、もしくは他者にこれらをさせないこと。