ブラジルYouTuberの進撃続く。ポルトガルにも進出

ブラジルの人気YouTuber、カシミロ・ミゲル氏(Casimiro Miguel)が設立したチャンネル「CazéTV」の進撃が続いています。今年7月には、FIFAワールドカップ2026の全試合をライブ配信すると発表しましたが、11月には2027年の女子ワールドカップについても全試合ライブ配信が決定しました。

FIBAとの契約も発表されています。2026年からの4年契約で、バスケの男女ワールドカップやブラジル代表戦などが無料配信される予定です。

IOCとの契約も発表されました。すでに2024年のパリ五輪を配信していますが、さらに4年間延長し、2026年のミラノ・コルティナ五輪、2028年のロサンゼルス五輪の配信が決定しています。

CazéTVは、ミゲル氏とLiveModeという代理店による共同出資で運営されてきましたが、最近になって株式交換が行われたとのこと。CazéTVはLiveModeの完全子会社となり、ミゲル氏はLiveModeの株主に。また、取締役に就任し、放映権契約の責任者になったとのことです。

LiveModeは、ポルトガルにおけるFIFAワールドカップの放映権を獲得したと報じられています。ブラジルの公用語はポルトガル語ですから自然な流れと言えるでしょう。全104試合のうち34試合を、新しいチャンネル「LiveModeTV」でライブ配信します。CazéTVと同様、こちらも無料配信となります。

グローバルでビジネスを展開する巨大ストリーマーがスポーツ放映権市場を席捲する中で、個人発のチャンネルが勢力を伸ばし、しかも無料配信を実施するというのは大きなアンチテーゼです。しかも、メジャーなスポーツを巻き込んでおり、今後のビジネスの成否がとても気になります。


YouTuberは若者層から支持を集め、また広告業界も若者層に対して広告を配信したいと考えています。利害が一致することで広告の価値が高まり、無料配信でも成立するというロジックです。


まぁ、頭では理解できるのですが、放映権料の高騰が止まらない中でどこまで持続可能なのか。もちろん、ファンの負担が限界に達しつつあるのも現実です。いま、ブラジルで行われている壮大な実験が、やがて世界を変えていくのでしょうか。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000