スポーツ庁の検討会、第1回議事録が公開

総務省とスポーツ庁が設置した、ユニバーサル・アクセス権などを議論する会議「スポーツを観る機会の確保及びスポーツ放映に関する検討会」なんですが、5月20日に開催された第1回の議事録が最近になって公開されています。


ずいぶん時間がかかったな・・・という感じですが、契約事だとどうしても表に出せない話がたくさんありますので、編集に時間を要したということでしょうか。ただ、公的な検討会なのですから、少々時間がかかってもオープンなものになることを期待します。

第1回では、JOC・JFA・NPBの担当者が出席して発言を行っています。いちばん踏み込んだ発言をしたのはJOCでしょう。出席者名簿によると、元アルペンスキーの皆川賢太郎氏であると思われます。


オリンピックについては、いまのところ無料での放送が続けられています。オリンピック憲章の第48条にはメディアによる取材・中継に関する項目が設けられています。多くの人々に視聴してもらうため、無料放送はその手段となっています。


48 オリンピック競技大会のメディアによる取材・中継
1 IOC はオリンピック競技大会のために、 さまざまなメディアによるできる限り広範囲な取材・中継を保証し、世界中の可能な限り多くの人々による視聴を保証するため、必要なあらゆる措置をとる。

もっとも、海外ではオリンピックが有料で放送されるケースも存在します。欧州では一定時間の無料放送を義務付ける条件付きでユーロスポーツに放映権が与えられました。また、韓国では有料放送局のJTBCが放映権を獲得したことはご存じの通りです。韓国ではCATV等の普及率が高いため、韓国政府が定めるユニバーサル・アクセス権(普遍的視聴権)には抵触しませんでした。

他にも面白い発言がありました。ある国際大会を日本に誘致した際、放映権を「海外・国内・ローカル」の3つに分割した事例があるというのです。


具体的な大会名は書かれていないのですが、皆川賢太郎氏の地元である新潟・苗場で2020年2月に開催された、FISワールドカップではないかと推測されます。皆川氏は大会実行委員会の副委員長を務めていました。

この大会の放送・配信は以下のようになっていました。


  • 地上波
    • TeNY(テレビ新潟) →当日録画放送
  • BS
    • NHK BS →当日録画放送
    • J SPORTS →後日録画放送
  • インターネット
    • スカパー!オンデマンド →ライブ配信


日本におけるFISワールドカップの放映権はJ SPORTSが持っていますが、苗場大会に限ってはNHKが国際映像を制作し、BSで放送しています。J SPORTSはBSだと被ってしまうため生中継を行えず、代わりにスカパー!オンデマンドを使ってライブ配信を実施しました。


また、地元局のTeNYでも放送が行われたのは、主催者が地元を盛り上げ、観客を呼び込みたいという想いの現れと言えます。TeNYはニュース番組などで事前の告知を何度も実施。その映像は現在もYouTubeに残っています。

大きな国際大会をできるだけ多くの人に視聴してもらうのは当然大切ですが、同時にスポーツ文化の発展という観点からは、ローカルからのボトムアップも必要です。それは、地域密着を重視するスポーツリーグもそうですし、もっと草の根的なスポーツもそうでしょう。


今回の皆川氏の発言が最終報告にどんな影響を与えるのかは未知数ですが、こういう話が出てくること自体が面白かったりするので、今後も新しい情報が出てくることを期待します。

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