【詳報】2019 読売新聞「好きなスポーツ」調査
すでに速報でお知らせしましたが、読売新聞が毎年3月に発表する、スポーツに関する世論調査の結果が発表されました。
できることなら過去10年くらいの結果を比較したいところですが、そこまでやるとなると図書館に行って縮刷版を確認しないといけないので、今回は去年との比較だけにとどめさせてください。
まず評価したいのが回収率。61%→75%と14ポイントアップ。もしかしたら謝礼を増やした?などとつい邪推したくなりますが(^^; 回収率の高さは調査の信頼性にもつながります。男女や年代別の割合もほぼ人口通りとなっており、かなりいい調査だと言えます。
■見るのが好きなスポーツ (あらかじめ提示された選択肢から複数回答)
毎年1~2月に実施される調査なので、この時期に開催されるスポーツの結果が大きな影響を及ぼすのは当然のことですが、今回はテニスの一人勝ちといった感じで、22%→38%と大きくアップ。
あと、前回から3ポイント以上アップしたのはプロサッカー・競泳・バドミントン・スピードスケート。いずれも日本選手の活躍が光りました。今回から選択肢に加わったカーリングもいきなり10%といい数字です。なお、プロサッカーと「外国のプロサッカー」は別項目。外国のプロサッカーは9%→8%とむしろ減っており、なかなか関心が高まってきません。
そして、深刻なのがプロ野球。46%→39%と7ポイントのダウン。この現実をきちんと受け止めなければなりません。
かわいそうだったのが、シンクロから競技名が変更されたアーティスティックスイミング。9%からわずか1%に。これは注釈がほしかった。
■好きなプロ野球チーム (単一回答)
まずは「興味がない」が24%→29%に増えたことを真剣にとらえる必要がありますね。
巨人・阪神はともに2ポイントダウン。記事の解説にもある通り、年代別だと巨人の人気は高齢化しており、若者層ではまんべんなく広がっています。「若者の巨人離れ」そして「若者の野球離れ」が見てとれます。
他の球団はすべて前回と変わらずか1ポイントのマイナス。とくにオリックスがんばれ。
■好きなスポーツ選手 (自由記述回答、3人まで)
これも時期の影響が大きな質問ですが、大坂なおみ選手はチャーミングですし、1位になるのは当然でしょう。
得票率でみても、昨年1位だった羽生結弦選手が8.6%だったのに対し、大坂選手はなんと15.0%。2位の大谷翔平選手も8.7%で、昨年ならば1位がとれた水準です。
そして今年の羽生選手は順位こそ3位でしたが、得票率は8.0%でわずかなダウンにとどまりました。昨年は平昌五輪の上積みがあったことを加味すると、むしろファンの根強さが見えてきます。私も3.11のLINEスタンプを買いました。(関係ない)
10位にはボクシングの井上尚弥選手がランクイン。先の「見るのが好きなスポーツ」において、ボクシングは18%→15%にダウンしていたのですが、やはり本物には人気が集まる。これからも本物の試合を見せ続けてほしいものです。
ちなみに前回のベスト10に入っていた高梨沙羅選手は圏外となってしまいました。やはり実力の世界は厳しい。けど頑張ってほしいです。彼女には未来があります。
■平成で印象に残るスポーツ名場面 (あらかじめ提示された選択肢から複数回答)
今回の調査で特別に追加された質問です。
こちらも当然ながら新しい出来事のほうが記憶に残りやすいわけですが、それだけに「ふなきぃ~」の威力がすごい。もちろん、4年前の屈辱とセットなわけですが。
■スポーツを題材にした好きな作品 (自由記述回答、3作品まで)
これも今回追加された質問ですが、編集委員の石田さんの解説が熱いのであまり付け加える必要はないですかね。ランク外の『弱虫ペダル』に着目していたり、その他にあげた種目にもそれぞれ思い浮かぶ作品がありますよね。
あと、個人的には16位に『キャプテン』が入ったのが嬉しかったりします。魔球も必殺技もない。ただひたすら練習する。その姿が感動を呼びます。
■おまけ
実は、昨年の調査では有料の動画配信サービスに関する質問がありました。いわば観測気球のようなものでしょうか。
そこでは実に73%が「利用したことはないし、利用したいと思わない」と回答しておりましたが、ここには年代別のデータはありません。この1年間で若者層への浸透がさらに進み、かつ巨人離れが起きているとすれば…ですよね。
↑今回(2019年)の結果です。
↑前回(2018年)の結果です。
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