DAZN、CMの挿入はやんわりと。

DAZNがCMの導入に少しずつ動いている話は以前にも取り上げましたが、今回はもう少し詳しい記事。マーケティング側の視点から取り上げたものになります。
すでに日本でもUEFAチャンピオンズリーグの公式スポンサーのCMが流れるといった動きはあるのだけど、このように大会やチームのスポンサーがそのままDAZNにも出稿するというのは基本中の基本であって、今後はそれ以外のスポンサーをどのように引っ張ってくるかが試される。

ネット広告は「どこに出すか」ではなく「誰に出すか」で勝負が決まる。かつてGoogleは検索ワードに値段をつけるという画期的なアイデアで大きな成長を遂げたわけだけど、いまではさまざまな場所の広告に対して精緻なアルゴリズムが導入されている。

その中においてDAZNのアプローチはやんわりとしていて、いきなりアルゴリズムにコストをかけるのではなく、まずは旧来型の「面」によるCM獲得を行っていく模様。
DAZN自身はユーザの個人情報を取得しないので、まずはコンテンツの特性に合わせたスポンサー探しから。とくに熱心なファンがいるユーザには刺さりやすい。日本であればF1や自転車あたりが該当するだろうか。女性人気が高いバレーボールあたりも魅力。

で、だんだん軌道に乗ってきた時点で今度はアルゴリズムを活用した「人」への広告にシフトさせる。そこには視聴データやIPアドレスなどによる位置データ、また他のサービスの利用状況とリンクさせたデータなどが使われるだろう。

そう考えるとDAZNとドコモが手を組んでいることのメリットは大きい。ドコモの販売網やインフラを利用できるだけでなく、ユーザ情報も利用できる。
ただ、正直なところドコモユーザにだけ980円で提供するという施策はちょっと価格差が大きすぎるようにも思う。これによって契約をためらう他社ユーザも相当数いると考えられ、今後の価格戦略もおおいに気になるところ。

ライブ配信がメインなだけにCMがスキップされる割合は低いし、映像提供元のほうがCMに入ってしまえば何かしらで埋めるしかないのだから、この流れは必然的だと言える。
CMで得た収入が値上げを食い止めたうえでさらなるコンテンツ獲得につながるのであれば、ユーザにとっても決して悪い話ではないと思うけど…いかがでしょうか。


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