ラ・リーガ、不正視聴対策に溺れ罰金を課される。

ラ・リーガの公式アプリが、バーなどの公共の場で勝手に放送を流す違法視聴行為を監視するための機能を盛り込んでいたとして、総額25万ユーロ(約3,000万円)の罰金を課された。

このアプリはインストール時に位置情報とマイクへのアクセス権限を求められる仕様となっていた。
位置情報は国外からの視聴をブロックする意味で必要なものだが、マイクはいささか余計。公共の場で無許可での配信を行っていないか、マイクからの音声をもとにチェックする「スパイ行為」を行っていたという。

罰金はスパイ行為の対象とされる端末5万台に対して各5ユーロ、総額25万ユーロと決定された。
EUでは個人情報保護の強化が進んでおり、とくに昨年施行されたGDPR(一般データ保護規則)は、EU圏内でビジネスを行う企業に対して厳しい対応を求める。また、違反には巨額の罰金を課すことができるため、いわゆるGAFAを含めて世界中の企業が対応に追われている。

GAFAの一角であるAppleは、最近の新商品で「ユーザーの個人情報を守る」というスタンスから機能を追加している。他の3社がユーザーから得たデータに基づく広告配信やレコメンデーションで稼いでいるのに対し、端末で稼げるAppleは独自路線を走る。

そんな状況の中でラ・リーガはやらかしてしまったわけだけど、プレミアに放映権料の額で差を開けられている中で、権利者の利益を守ろうとするのは当然のこと。ただしその手段が明らかに行き過ぎだった。
ラ・リーガのスペイン国内での放映権は、代理店のMediaproと通信会社のTelefonicaの2社に売却されており、前者は無料地上波放送の「Gol」、後者はは衛星放送の「Movistar+」で放送を行う。

来季(2019-20シーズン)から新たに結ばれた契約(3年間)によると、毎節1試合がGol、残り9試合がMovistar+での放送となる。なお、国外向けの放映権についてはMediaproが5年契約を結んだ。

日本においては来季までソフトバンク(旧スポナビライブ)が権利を保有。WOWOWにサブライセンスされている。スポナビライブ撤退後はDAZNに引き継がれたが、WOWOWの放送は来季も継続が決まっている。

ということで来年が更新時期。新たに権利を獲得するのはDAZNか、スカパーか、それとも楽天か?国外においては純粋に金額での争いになるでしょうから、ラ・リーガ側もリーグの価値を上げる努力を怠ってはなりません。

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