スペインが五輪放映権獲得に苦戦。黒幕はやはり米。

オリンピックの放映権については米NBCが槍玉にあがりがちですが、ヨーロッパにおいて2018平昌五輪から放映権を獲得したユーロスポーツも同様に取り上げたほうがいいと思うのです。ユーロスポーツは米ディスカバリーの傘下なので結局アメリカなのですが。

2018平昌五輪と2020東京五輪のセットで考えた場合、ユーロスポーツの放映権料は6.5億ユーロ(約780億円)。NBCの放映権料は21.9億ドル(約2,360億円)となります。

約1/3という計算になりますが、ユーロスポーツの放映権料はいわば「仕入れ値」。自局でも放送しますが、それはあくまで有料。無料で放送したいと考えるヨーロッパ各局とのサブライセンス交渉はまだ続いており、最終的な放映権料の合計はさらに跳ね上がることになります。
ヨーロッパ的な考え方では、オリンピックは文化財であり、視聴することは国民の権利です。なので各国の公共放送・国営放送はディスカバリーとの交渉に動かざるを得ません。なぜ民間企業に放映権をまとめて販売したのか。この点についてはやはり首を傾げてしまいます。

ということでスペインからのニュース。スペインのRTVEは政府からの交付金が大きな収入源なので国営放送と言ってよいかと思いますが、当初計画していた予算では東京五輪の放映権料をまかないきれず、政府が最大で6,000万ユーロ(約72億円)の支援を検討しているとのこと。

当然ながらその財源は税金であり、ひとつの民間企業を相手に巨額の契約を結ぶこと自体の意義は当然問われることになります。他のヨーロッパ諸国の動向についても情報が入りましたらお伝えします。
オリンピックを含め、文化的に重要なスポーツ大会を無料で視聴できる権利を「ユニバーサル・アクセス権」と言います。当ブログでは以前から何度か紹介しているものですが、こちらも近いうちに再度取り上げることにしましょう。

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