1980モスクワ五輪、テレ朝独占の衝撃と悲喜こもごも。
先の記事でも取り上げたこの表ですが、日本のところに注目してみると、放映権料の急激な値上がりは、よく批判される1984ロサンゼルス大会以前から始まっていたことがわかります。上昇率では1980モスクワ大会が大きくなっています。
1976モントリオールではNHKと民放各局が共同購入する「ジャパンプール」という方式(現在はジャパンコンソーシアム)がとられたのですが、モスクワについてはNET(日本教育テレビ、後のテレビ朝日)が独占を発表し、当時のテレビ界をざわつかせたのです。
ご存知の通り、モスクワ五輪では日本やアメリカなど西側諸国がボイコットしたため、NETの目論見は大きく外れることとなってしまいます。
しかし、この出来事はもうひとつ大きな副産物を残しました。NETはオリンピック中継に備えてアナウンサーの採用を増やしたのです。
とくに1977年組の活躍は目覚ましく、その筆頭はやはり古舘伊知郎さん、そして渡辺宜嗣さんでしょうか。
また、報道で活躍した佐々木正洋さん、吉澤一彦さん。タレントに転身した南美希子さん。マラソン実況も担当した現スポーツコメンテーターの宮嶋泰子さん。完全なるゴールデンエイジです。
NETが支払った放映権料は850万ドルと記されておりますが、結果的には損して得をとったと言えるのではないかと思います。
これはスポーツ史というよりもテレビ史において後世に伝えられる出来事となりました。当ブログでもこのように記事にして後世に残すこととしましょう。
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