マイナーリーグ大量解雇中。わずかに拾う神も。

選手会との合意が得られず開幕の見通しが立たないMLBでは、その影でマイナーリーグ所属選手の解雇が相次いでおり、すでに10球団以上が解雇を実施。最終的には1,000人以上の選手が失業する見込みだとのこと。

もともとマイナーリーグの規模を縮小する計画が進んでおり、来季から球団数が削減される予定。当落線上にいた選手たちはいつクビを切られてもおかしくなかった状況にあったのですが、チャンスを与えられる間もなかったのはなんとも気の毒。

メジャーと違って放映権料収入はほぼ期待できないだけに、無観客で試合をやる意味が見出だせないというのも大きな理由です。
マイナーリーグの人数そのものが減るわけですから、入口もまた狭くなるわけで、今年のドラフトは例年最大40人が指名されるところがたった5人に。ドラフト外での契約も認められてはいますが、なんとも厳しい。

その結果として有望株とされた選手が日本など他国でプレーする可能性もあるのですが、今シーズンは入国もままならないですし、どのリーグも財政が苦しい。来シーズン落ち着いてきたら動きが活発になるかもしれません。

アスリートファーストとはよく言われるものの、マネーがなければチャンスすら与えられない。アスリートファーストの次に来るのはマネーセカンドなのではないかと。
ただ、捨てる神あれば拾う神あり。ロイヤルズは解雇しない姿勢を示しています。もともと財政的にも戦力的にも充分でない球団ですが、筋は通したと。

もし今季が過密日程となり、選手層の厚さがモノを言う展開となるのであれば、この判断が吉となる可能性はあります。苦しい時こそ有望株の確保を。それが後々トレードなどのビジネスにつながるかもしれません。
ドジャースのプライス投手はマイナー選手にポケットマネーで10万ドルを渡すとのこと。あくまで一時金ではあるのですが、ピンチの時こそ分かち合いの精神が問われます。

MLBと選手会の合意が遅れれば今シーズンの開催自体も危機となりますし、来年末で切れる労使協定の改定も困難を窮めます。そうなるとWBCの廃止も見えてきますね。

2024パリ五輪に野球はありませんし、プレミア12にメジャーリーガーが出場する可能性はゼロ。MLBはまた鎖国に戻りそうな感じです。そんな間に他のスポーツに埋没するんじゃないかと、そのくらいの危機感は個人的に持っています。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000