羽生九段突如投了の波紋。将棋とAIの共存とは。

きょうは将棋の話題その2です。

この瞬間はリアルで見ていたのです。羽生九段と豊島竜王が対戦したA級順位戦。いったんは土俵際に追い込まれた羽生九段が、50歳に達してもいまだ衰えぬマジックを駆使し、ついに逆転したように思われたのです。

画面上のAIの評価値では羽生九段が94%で優勢と表示されていましたが、ここで羽生九段が勝利を決める一手を放つか…と思いきや、投了してしまうというまさかの結末に。

でも、まさかと思っているのは評価値を見ている視聴者のみであって、当の本人は勝ち目が薄いと思っており、相手の豊島竜王も確信が持てなかったというわけです。人間とAIの判断は違う。当たり前のことではありますが、改めて思い知らされる出来事となりました。

羽生九段「勝率94%」で投了のワケ 将棋AIの功罪

2020年のクリスマス。豊島(とよしま)将之竜王と羽生善治九段という黄金カードで、その“事件”は起きた。 対局の中継画面上に表示されるAIの「勝率」(どちらがどれだけ優勢かをパーセンテージで示したもの)で94%という圧倒的な優勢を築いていたはずの羽生九段が、突然、投了(負けを認める)したのだ。 AIがほぼ勝ちだと判断しているのに、対局者本人は負けだと認識していた… 実はこれほど極端ではないものの、AIと、人間の棋士の“形勢判断”が大きく食い違うケースが増えているという。 藤井二冠の「AI超え」が新語・流行語大賞にノミネートされるなど、いまや将棋観戦に欠かせない存在となった将棋AI。 進化を続ける、その将棋AIが抱えるジレンマと、解決の秘策について関係者に話を聞いた。 ■ 「パンドラの箱」を開けてしまった!? 「負けました…」 羽生九段が頭を下げた瞬間、中継画面のコメント欄は、驚きと戸惑いの言葉で埋め尽くされた。 「え?」「どうして?」「何が起きた?」 時刻は既に24時を回り、日付は12月26日に変わっている。 渡辺明名人への挑戦者を決めるA級順位戦の6回戦、豊島竜王と羽生九段の対局は、形勢が二転三転する死闘となっていた。 対局を中継する「ABEMA将棋チャンネル」の画面上部に表示される、「SHOGI AI」の「勝率」によれば、まずは豊島竜王が優勢を拡大したが、羽生九段の勝負手をきっかけに形勢が逆転。 その後も数値は揺れ動き、127手目では豊島竜王の「勝率」が94%に達していた。 ところが続く128手目、豊島竜王の指した手でAIの表示は再び羽生九段側に大きく振れる。 それが問題の局面だった。 ABEMA将棋チャンネルが運用する「SHOGI AI」の開発責任者、藤崎智(さとし)氏はハラハラしながら最後の場面を見守っていた。 「あの対局では、直前まで『勝率』が行ったり来たりしてたんですよね。なのでコメント欄でも『AIが壊れてるんじゃないか』とすごく書かれてまして。そうしたらまさかの、羽生先生が投了で…」 藤崎氏によれば「勝率」が90%以上というのは、すぐに詰むわけではないものの、圧倒的に有利であることは間違いない状況だという。 AIがそれだけの数値を示した側の棋士が投了するという経験は、これまでにないことだった。 「ヤバい、これはパンドラの箱、開け

テレ朝news

評価値をパーセンテージで表現する手法はABEMAが導入したものですが、この根拠ははっきりとはしていません。例えば先手が+100となる局面を集めて、そこからの勝率を実際に計算したのであればそれなりの説得力は出るのですが。

それでも序盤と終盤では同じ評価値でも重みが違うでしょう。一手間違えば逆転となる局面もあれば安全な局面もあります。そのあたりはAIが示す複数の候補手を参照しながら、見る側が解釈しなければなりません。

もちろん導入する側もこの点は承知のうえですから、今後はより人間らしい思考に沿ったチューニングを施してくることになるでしょう。人間とAIは敵対するものではなく、お互いに寄り添って共通の問題を解決していく関係になっていくはずです。
ということで、おまけでもうひとつ記事を紹介。強いAIもいいけど、適度に弱いAIへのニーズもあります。これから将棋が強くなりたい人にとって、人間らしいミスをしてくれるAIがあると上達が早いはずです。

では、どうすれば適度に弱いAIが作れるのか。ゲーム会社の方に聞いたところ、昔弱かった頃のプログラムを大事に保存しているんだそうで……うーん、そんな手がありましたか。

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