電通保有のDAZN株、価値が上がる。

コロナ禍によって経営危機に追い込まれたとされるDAZNですが、最近ではまた勢いを取り戻しているように見えます。ただ、その実態は外部からは見えません。以前は公開していた財務状況も現在では非公開となっています。

そんな中で数少ない手がかりとなるのが、電通が保有するDAZNの株式です。電通は約400億円を投じてDAZNの約10%の株式を取得しているとみられます。

それゆえに、もしDAZNが大きなダメージを負ったのであれば、電通の持株会社である電通グループの財務にも影響が生じ、特別損失を計上する可能性もあります。しかし、これまでそのような発表はありませんでした。

ということで、去る3/26に公開された電通グループの最新の有価証券報告書を確認することにしましょう。「第4 提出会社の状況」の中にある「株式の保有状況」という項目を参照します。
そこに書かれているのは、合同会社Global Sports Investmentsという子会社を通じてDAZNの株式を保有していることと、その価値は53,572百万円であるということです。

すなわち535億円❗️減損どころかむしろ上昇していることになります。正直驚きました。非上場なので算定基準は気になるところですが、DAZNの未来に期待する投資家はそれなりに存在することになります。

DAZNについては上場を視野に入れているとの報道もありますが、もしそうであれば情報公開が必須となりますので透明性の向上に期待したいところです。少なくともコロナ禍によって失った会員数は回復しているのか、グローバル展開は軌道に乗っているのかくらいは知りたいところです。
③ 合同会社Global Sports Investmentsにおける株式の保有状況
当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最大保有会社の次に大きい会社合同会社Global Sports Investmentsについては以下のとおりであります。
 
イ 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
 投資先は1社で、スポーツに関連するデジタルコンテンツの配信事業等をグローバルに展開しているDAZN Group Limitedであります。当社グループは本投資を通じて、スポーツ事業に加え、デジタル技術の活用によってグローバルな広告事業の強化等を図る方針であり、中長期的に保有しておく方針です。また、投資先の主要KPIのモニタリング、四半期ごとの投資の公正価値評価を通じて、保有の合理性を検証しております。

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