MBS&スポナビ対談からみるスポーツ中継の未来。

MBS(毎日放送)が新卒採用サイトで公開している「屋台人間人事前田」という記事では、テレビ業界の未来を考えるという趣旨で異業種の企業との対談を掲載しています。

その中から、MBSの戸谷氏とヤフー(スポーツナビ)の小用氏との対談記事を取り上げます。

※小用氏は現在スポーツナビ株式会社代表取締役社長

テレビとネット、あるいはテレビとスマホという構図は対立構造で語られがちですが、共存・協力できることも多々あります。MBSとスポナビは春の選抜高校野球を全試合ライブ配信する「センバツLIVE」を共同で立ち上げています。
娯楽の多様化、若者のテレビ離れといったキーワードはここ数年ずっと言われていますが、スポーツもかつてのような国民的人気のコンテンツではなくなってきています。

さすがに五輪やW杯レベルならまだ盛り上がるものの、サッカー日本代表の地上波放送が減ったことに象徴されるように、視聴率は下がっています。逆に放映権料は上がっているので採算がとれなくなっているわけです。

ただ、それが一概に悪いことではなく、例えばローカルのコンテンツを集めればトータルで全国規模の人気を得ることもできるのです。高校野球はその大きな事例でしょうし、Jリーグなどの地域密着を掲げるスポーツもその方向をめざしています。

この対談では、映像製作のコストが下がることで高校野球であれば地方大会すべてが映像化される未来をあげています。また、学生スポーツだったり、それこそ草の根レベルのスポーツにも発展する可能性もあります。

これはとても大事なことで、母校の試合だったり、家族や友達が出る試合を遠方から観られることができれば、ひとつひとつは小さいコンテンツでも集めることで大きな力になります。いわゆるロングテールのモデルですね。こういうのはネットの得意分野と言えます。

その一方で迫力ある映像作りや、興味関心を喚起する機能は引き続きテレビのほうに強みがあり、今後両者は補完関係を強めていくことになるのでしょう。

無料か有料か…といった論争は昨年末にちょこっとありましたけど、ファンの熱量に応じたメディアと収益モデルがあるという話であり、個々のニーズにどれだけ寄り添うことができるかの勝負かと思います。

さて、今年はスポーツ中継にどんな未来を見ることができるのか。大規模なものも小さなものの追っていければ幸いです。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000