DAZN獲得のAFC放映権、意外と安かった?
以前も紹介したプレミアリーグの放映権料について書かれた記事ですが、今回はその中にある別の記述について。
The value of Asian Football Confederation rights dropped by 60 per cent in the current cycle
AFCの放映権料が現在のサイクルで60%下落した、と書かれています。正直目を疑ってしまう話ではあります。
AFCの主管試合にはW杯予選やアジアカップなどの国際大会と、ACLなどのクラブ大会があるのですが、今回は前者に絞ります。まぁ両方ともDAZNが獲得したわけですが。
国際大会の放映権はテレビ朝日が持っていたことはご存知の通りです。前回のサイクルでは4年180億円と言われています。そこから60%減ならば、4年72億円になる計算です。(DAZNは8年契約なのでトータルでは倍の144億円)
今回テレビ朝日が撤退した背景として、新たな代理店となったFMAが高額をふっかけてきたことがあり、当初の金額は8年2,000億円だとも言われています。この数字がインパクトあるだけに、どうしても独り歩きして語られがちです。
交渉がなかなか成立しなかったことから、AFCは日本向けの放映権をFMAから切り離す決定を下し、改めて前回までの代理店だった電通と契約しました。そして、電通も出資しているDAZNが手をあげたわけです。
なので、日本のテレビ局が手を出せなかったところをDAZNが救った…というシナリオが描けるのですが、その金額がもし大きくディスカウントされていたとすれば、その構図を見直すべきでしょう。
DAZNは日本代表のホームの試合をテレビ朝日にサブライセンスしています。1試合につき3億円とも言われています。W杯最終予選はホームが5試合のため、合計で15億円となります。
一方でDAZNの放映権料は年間18億円という計算なので、差し引き3億円でアウェーの試合を独占できたことになります。それでも高いと言えば高いのですが、当初のイメージとはだいぶ違った景色が見えてきます。
テレビ朝日は最近になって社長が辞任。背景としてスポーツ局長との確執があったことが伝えられています。値下がりしたならば引き続き買えてもおかしくないのですが、早々に断念したうえに「やべっちFC」を終了させたわけで、経営的に何かあったのか…?と思わざるを得ません。
一方でDAZNもここに来て経営方針が大きく転換しています。もうかつての金満イメージで語るべきではありません。AFCの権利を獲得できたのは、粘り勝ちとも言えるし棚ぼたとも言えてしまいそうです。
さて、3月に開催されるアウェーのvs.オーストラリア戦について、DAZNは日本サッカー協会との交渉は終了しており、独占配信は変わらないとしています。
ただ、もしここでさらに3億円+αを得ることができれば、1年分の放映権料を回収できてしまうんですよね。ライセンスの可能性にも現実味を感じさせます。
ただ、昨年末にDAZNが行った資金調達によって、電通の影響力が弱まっているのかもしれません。本来ならば電通が仲介して道筋をきちんと付けるべき話だったのでは…と個人的には思ってます。
まぁ、60%下落という情報を完全に信じているわけではありません。でもこの数字だけでいろいろと妄想がはかどります。もう少し具体的な情報があれば…と切望します。
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