DAZN、BT買収失敗で英本社50人カット。背後に幹部のチョンボも?
DAZNからの買収オファーを断り、ディスカバリーとの統合を選択したBT Sport。この度両社が年内までに合弁会社を設立することで合意したと発表しています。ともに50%ずつ出資し、保有する放映権を譲渡もしくはサブライセンスします。サービスの運営はディスカバリー側が行うとのことです。
これによって、近いうちにBT Sportとユーロスポーツが統合されたサービスがイギリスおよびアイルランドで開始されることになります。
DAZNはロンドンの本社で50人程度を解雇する計画であると報じられています。イギリス市場で拡大が見込めない以上、仕方のない判断だと言えるのかもしれません。その代わりと言いますか、来季からラ・リーガの権利を一部獲得しているスペインなどでは増員を進めているのだそうです。
土壇場で断られたDAZNですが、取締役会長のKevin Mayer氏が昨年秋にディスカバリーのコンサルタントに就任していたことが報じられています。Mayer氏は前職がディズニーでdisney+の立ち上げに尽力した後にDAZNに転じました。また、ディスカバリーはワーナーブラザーズとの合併を控えており、ストリーミングの将来について知見のあるMayer氏に相談にのってもらっていたようです。
まぁ、よりによって敵に塩を送るような行動をしていたというわけです。昨年春の段階では、ディスカバリーとワーナーブラザーズの合併後にMayer氏を新たなトップ候補として報じる記事もありました。Mayer氏はスポーツに関する話はしていないと説明しているようですが、このことはDAZN内部にも動揺を与えたものと思われます。
ストリーミングという点においては、ディスカバリーがdiscovery+、ワーナーブラザーズがHBO Maxを展開しており、これらの動向も注目されます。両サービスを統合する予定であることは発表されていますが、現時点で具体的なスケジュールは見えていません。
OTTサービスは成長が鈍化しており、今後はユーザーの絞り込みが進んでいきます。ひとりが加入するサービスは多くても2~3個にとどまると考えれば、この限られた枠に選ばれるための競争は熾烈にならざるを得ません。世界規模でエンタメもスポーツも巻き込んだ再編劇が今後も続きそうです。
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