PPVの可能性を示した「THE MATCH」。リスクが露呈した「RIZIN.36」。

7/2に開催された「RIZIN.36」は、メインイベントに予定されていた朝倉海選手が直前になって負傷欠場することが発表。チケット購入者には返金対応することとなりました。


また、この大会はスカパーと「RIZIN STREAM PASS」でPPVが実施される予定でしたが、こちらも無料化するなどの対応を行っています。

先月の「THE MATCH」は、フジテレビの放送が消えたもののABEMAのPPVが50万件売れたと発表されています。これは当然すごい数字なのですが、もし、天心選手・武尊選手のどちらかに直前でアクシデントが発生していたら…と考えると恐ろしいものがあります。


RiZINの榊原社長は気をよくしたのか「格闘技界の新たなビジネススキームが誕生した」などと強気なコメントを発していましたが、フジテレビの放送がなくなった直後からの態度一変には、この人らしいな…と苦笑せざるを得ません。これはビジネスモデルとか放映権料とかの問題以前に、コンプラの問題なわけですからね。

結果的に独占配信となったABEMAは、「THE MATCH」の開催翌日に天心vs.武尊戦を無料配信し、その後はプレミアム会員向けに全試合の動画を配信しています。無料・サブスク・PPVという3つのモデルをどう使い分けていくかはスポーツ全体の課題ですが、ABEMAとしてひとつの回答を示した形です。


50万件は驚異的な数字です。しかし、天心vs.武尊戦だからこそ生まれた数字であり、この規模の大会ができるのは数年に1回程度でしょう。RIZINもそれは当然分かっており、ビジネスモデルを一段前に進めるために「RIZIN FIGHT PASS」を打ち出したのでしょうが、ちょっと残念な出だしとなってしまいました。


その先には朝倉未来vs.メイウェザー戦が待ち構えています。こちらは海外にもPPVを販売しないと到底ペイできないイベントです。スポーツの範疇に入れていいのかと言われるとやや疑問な気もしますが。

ABEMAにとっては、これだけの金額が動くイベントで配信障害を起こさず乗り切れたことが大きな財産となります。これは年末のワールドカップ中継へと活かされることになります。

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