権利の切れ目が縁の切れ目。米カレッジの放映権料が沸騰。
アメリカのカレッジスポーツで最大の規模を誇るBig Tenカンファレンス(以下B1G)が、2024年からの放映権契約を更新。FOX・NBC・CBSの3社と7年間で総額70億ドル以上の契約を結んだとのこと。
現在はFOXとESPNが、6年総額26.4億ドル(1年あたり4.4億ドル)で契約を結んでいますが、新契約は1年あたり10億ドルを超え、倍以上に増加することになります。また、ESPNは40年にわたって保持し続けてきた権利を失うことが決まりました。
話は昨年にさかのぼります。Big 12カンファレンス(以下Big 12)に所属しているテキサス大学とオクラホマ大学が、2025年からサウスイースタン・カンファレンス(以下SEC)に移籍することを表明しました。Big 12の放映権は2025年までとなっており(FOXとESPN)、またSECの放映権は2024年からESPNに移るため、いわばESPNのお墨付きの行動とも言えます。
今年に入って、今度はPacific 12カンファレンス(以下Pac-12)に所属しているUSC(南カリフォルニア大学)とUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が2024年からBig Tenに移籍すると発表しました。Pac-12もまた、FOXとESPNが放映権が2024年まで保有しており、こちらも権利の切れ目を狙った行動です。
ESPNにとっては、SECを獲得したもののPac-12の有力校とB1Gを失う形となります。B1Gの更新にあたっては年3.8億ドルで交渉していたと伝えられていますが、オファーを断りSECに注力する意思を示しました。
「パワー5」と呼ばれる大きなカンファレンスの放映権をまとめると以下のようになります。B1Gを失ってもまだESPNの力は強いのですが、今後Pac-12とBig 12が更新の対象となります。Pac-12については2校が抜けたことで弱体化が囁かれています。今後他の大学が追随すれば、消滅もあり得る話だとか。これは巨大メディアによるパワーゲームであり、マネーゲームだと言えるでしょう。
Big Tenカンファレンス(B1G)
2023年までFOX, ESPNが年4.4億ドルで契約
2024年からFOX, NBC, CBSが7年契約、年10億ドル超
サウスイースタン・カンファレンス (SEC)
2023年までCBSが年5,500万ドルで契約
2024年からESPNが10年契約、年3億ドル超
Big 12カンファレンス
FOX, ESPN
2013~25年の13年契約、年2億ドル以上
Pacific-12カンファレンス (Pac-12)
FOX, ESPN
2013~24年の12年契約、年2.5億ドル
アトランティックコースト・カンファレンス (ACC)
ESPN
2017~36年の20年契約、年2.4億ドル
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