ベンさんの願い。プレミアファンはJリーグも観て!

今季はSPOTV NOWやABEMAが参入したことにより、欧州サッカーの放映権はさらに割れることにになりました。嘆きの声も多く聞かれますが、それだけ日本市場に期待されていることの裏返しでもあります。結局はファンがいくらお金を出すかで決まるわけですから。


そんな中、各局で解説を務めているベン・メイブリーさんがJ SPORTSのYouTubeで「プレミアリーグを愛する皆さま!Jリーグも盛り上げていきませんか?」と題された動画を出しています。J SPORTSは現在欧州5大リーグやCL/ELの放映権を持っていませんが、それでも「Foot!」などのサッカー番組を放送し続けています。ある意味しがらみのない場所を選んだというわけですね。

ベンさんのメッセージは至極シンプルで、当然のものだと思います。高いレベルのサッカーを観たいというニーズもあれば、地域に根差したクラブを応援したいというニーズもあり、それはフットボール文化の両輪を担うものです。


まぁ、ネットだとどうしても両者が対立しているような声がクローズアップされがちなのですが、実際のところはどうなのかという話です。それを考える材料として、スポーツ庁が実施した世論調査の結果をみてみることにします。

この1年間にどんなスポーツを観戦したか(テレビやインターネットで)という設問がQ38-2にあります。「やる」スポーツに重点が置かれているのか、モータースポーツや総合格闘技、競馬などの競技が選択肢から外れているのですが、20,000人が回答した大規模な調査なのでおおいに参考になるでしょう。この調査結果を眺めるだけでも無限にネタが出てきそうです。


サッカー関連では「サッカー日本代表」が34.6%、「Jリーグ」が15.4%、「海外サッカー」が9.2%となっています。ここで気になるのはJリーグと海外サッカーの重なりなので、実際のローデータをダウンロードして集計してみました。(サイズが大きくて苦戦しました…)

結果としては以下の通りとなります。

  • Jリーグと海外サッカーの両方を観戦: 1,333人 (6.7%)
  • Jリーグのみ観戦: 1,743人 (8.7%)
  • 海外サッカーのみ観戦: 501人 (2.5%)


これらを合計した17.9%が、Jリーグと海外サッカーのどちらか一方(または両方)を観戦した人となります。


海外サッカーを観戦している9.2%の人のうち、6.7%はJリーグも観戦していることになります。もちろん頻度の違いは考慮されていませんが、案外重なりは大きいようにも感じられます。個人的にはイメージが覆った印象です。


DAZNがプレミアリーグの放映権を逃したことは大きな痛手となりましたが、だからといって欧州サッカーから距離を置くことはせず、EFLやリーグ・アン、ポルトガルリーグといった権利を獲得していったのには、視聴データからJリーグと欧州サッカーを両方観ている層が多いことを理解しているからなのでしょう。


それでもプレミアが取れなかったのは、SPOTVという未知のライバルが出現したとことと、コストパフォーマンスの悪さに尽きます。とにかくプレミアの放映権料が高すぎるということです。それを引き受けたSPOTV、そしてサブライセンスを獲得したABEMAは新規ファンを開拓する義務があるとも言えるわけです。

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