MLB・NBA・NHL連合、米ローカル局の買収に関心か。
アメリカのプロスポーツの中継において、ローカル局の存在は大きなものです。その中でも、21の放送局を束ねるBally Sports Networkは多くのチームの放映権を保有しています。
しかし、ケーブルテレビ離れが続く中でBallyの経営は厳しい状況にあります。そこでMLB・NBA・NHLの連合が買収に動くのでは…という話が出ているのです。
Bally Sportsは、以前はFox Sports Network(FSN)と呼ばれていました。ディズニーが21世紀FOXを買収する際に、同業であるディズニー傘下のESPNと事業が重なることから、買収を認める条件としてFSNを売却することになったのです。対象となった22局のうち、21局はローカル局のネットワークを運営するシンクレアに売却。残り1局であるYESはAmazonなどに売却されています。
その後、オンラインカジノを運営するBally's Corporationが命名権を購入し、Bally Sportsと名前を改めています。日本だと、大谷選手が所属するエンゼルスの映像が流れるときに「Bally Sports West」というテロップが表示されるのを見たことがあるかもしれません。Bally Sports Westはカリフォルニア州南部などで放送を行っているローカル局であり、エンゼルスも25%出資しています。「オオタニサン!」「スゴイ!」などの名物実況もこの局のアナウンサーによるものです。
なお、エンゼルス戦の試合映像はMLBから購入したものです。国外向けの放映権はMLBが一括管理しており、その収益は各球団に分配されることになっています。なので、NHKなどが支払っている放映権料はエンゼルスに対してではありません。
話を戻すと、BallyはMLBの14チーム、NBAの16チーム、NHLの12チームとローカル放映権の独占契約を結んでいます。全米向けと国外向けの放映権はリーグが一括管理していますが、ローカルについては各チームが放映権を売却できるわけです。ちなみに、NFLはローカルもすべてリーグが管理しています。
Ballyも遅ればせながら、最近になってOTTサービス「Bally Sports+」を開始しましたが、これがいわゆる「コードカッター」の心を動かすかは未知数です。ストリーミングについてはリーグが提供しているサービス(MLB.tvなど)もありますから、Ballyとしては複数の競技を横断できることとオリジナルのコンテンツで勝負することになります。
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