W杯放映権未決定のタイ、政府が購入意向で反発も。

FIFAワールドカップの開幕まで2週間を切りました。世界230以上の国・地域で放送が決まっていますが、まだ放送が決まっていない国もありまして、そのひとつがタイです。FIFAが公開している放送局リストにも、Thailandの項目がないことがわかります。


https://digitalhub.fifa.com/m/203f2697ad928edb/original/FIFA-World-Cup-Qatar-2022-Media-Rights-Licensees.pdf

まぁ、ぎりぎりまで決まらないことは珍しくありません。どうせ放送はするんだけど、少しでもいい条件を得るために期限ぎりぎりまで引き延ばすこともよくあることです。ワールドカップほどの大会ですから、放送が無くなることはまず考えられません。


東京五輪ではベトナムが開会式の2日前になってようやく決着しました。実は、先の放送局リストにもVietnamの名前はありません。リストは10/25時点のものですが、その翌日の10/26に国営放送・VTVが放送することを発表しています。国営放送ですし、他に競争相手がいないのであれば粘ったほうが得策ということになります。

その一方、タイは民間の力が強く、サッカーの放映権についてはこれまでも複数の放送局や通信会社が競い合ってきました。それでも決まらなかったということは、金額面で折り合いがつかなかったということでしょうか。FIFAからすれば、タイのサッカー人気の高まりに乗じて、少しでも高く売りたかったでしょうが…


直前になっても決まらない事態に、タイ政府が動きを見せています。スポーツ庁の要望に応じ、放送・通信を管轄するNBTCが自ら放映権購入に動き出したと報じられています。金額は4,200万ドルと推定されているそうです。


もちろん、この資金源は国民の税金ですから賛否両論出るのも当然なことですし、スポーツ振興のための予算を回すのですから、他のスポーツ関係者からも不満があがることになります。

直近の例では、香港政府が東京五輪の放映権を購入した例があげられます。スポーツには公共財の性格があるとはいえ、こういった事態が今後頻発するようになるのはいかがなものか…という気もします。


その一方で、放映権料の高騰に対抗するひとつの対策であることもまた事実です。日本はいち早くNHKと民放によるジャパンプール(現在のジャパンコンソーシアム)方式を採用しましたが、これはその発展にあたるのかもしれません。奇しくも、今回のカタール大会でジャパンコンソーシアムは崩壊したわけですが、未来における何らかの示唆をもたらす事案となるでしょう。

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