F1に押されるNASCARも次期放映権には強気。

アメリカのモータースポーツ・NASCARでとんでもないプレイが出たことが話題となりました。「リアルミニ四駆」とでも表現すればいいのでしょうか。壁を伝って走ることで数台を一気に追い抜いてしまったのです。


コースは1周半マイル(約800m)の小回りでスピードが出ないこと、最終ラップの最終コーナーだったことなど、複数の条件が重なって飛び出したプレイだけに、今後追随する人は出ないかと思います。もちろん現行のルールでは禁止されておらず、もし今後禁止しようとしても定義をするのは非常に難しいでしょう。

アメリカのモータースポーツではここ数年F1の人気が高まっています。ESPNが結んだ来年以降の放映権料は従来から大きく跳ね上がり、年間7,500万ドル以上とされています。


NASCARの放映権はFOXとNBCの2局が持っており、放映権料は年間8.2億ドルです。F1よりもレース数が断然多いという違いもありますが、F1よりはかなり高い水準にあります。現在の契約は2024年までであり、そろそろ次期契約に向けて動き出しそうです。

まずき現在の権利者であるFOXとNBCとの交渉が行われ、不調な場合には他の業者が争いに加わる見通しです。NASCARの目論見としては、年間9~9.5億ドルをめざしているとか。これでもとんでもない数字なのですが、昨今の放映権料の高騰をみていると、これでも控えめに感じるのですからすっかり感覚がマヒしています。


アメリカのローカルカテゴリーという印象が強いNASCARですが、来年はブラジルで新たなシリーズを始めるとのこと。ヨーロッパ発のF1を迎え撃つ形です。

アメリカでは人口が増加し、テレビからストリーミングへのシフトが加速してAmazonやAppleなどのIT大手が参入してきました。2026ワールドカップや2028ロサンゼルス五輪といった大きなイベントも控えており、これまでスポーツ関連では景気のいい話題が続いてきました。


しかし、最近では景気の減速やIT大手のリストラのニュースが相次いでおり、この流れも変わってくるのかもしれません。いわゆる四大スポーツに加えて、最近はサッカーが急速に成長。さらにその次を狙う競技の勢力争いもますます激しくなるかと思います。その中で逆に勢いを落としてしまう競技も現れるのでしょう。


ちなみに日本では日テレG+が撤退した後、NASCARの中継は行われていません。そろそろどこか動いてくれると嬉しいのですが…

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