欧州の五輪放映権、2026~32年はEBUとWBDに。
IOCは、ヨーロッパの49の国・地域について、2026~32年大会の放映権をEBU(欧州放送連合)とワーナーブラザーズ・ディスカバリー(以下WBD)に与えることを発表しました。
2018~2024年大会は旧ディスカバリーが獲得していましたが、今回は共同での獲得となりました。これにより、EBUに加盟する放送局を通じてオリンピックの無料放送が確約されます。夏季大会は200時間以上、冬季大会は100時間以上の放送が保証されるとのこと。
以前はEBUが権利を保有していましたが、IOCがディスカバリーに権利を移行させたことにより、各国の無料放送局はサブライセンスを受けて放送せざるを得なくなりました。これにより、交渉が難航したり、無料放送が減るといった弊害が出ていました。
イギリスを始め、無料放送を義務付けるユニバーサル・アクセス権を認めている国も多く、これからの国の放送局はディスカバリーと契約するしかなく、不利な交渉を強いられていました。
ディスカバリーもワーナーブラザーズとの合併により経営方針が変わりつつあります。合併で組織が膨張し、またストリーミングの成長が鈍化したことも重なり、大幅なリストラやコスト削減を強いられています。
IOCも放映権料を稼ぎたい一方で、無料放送が減ることは歓迎していません。ヨーロッパでの入札は昨年4月から実施されていましたが、その過程においてEBUとWBDが共同で入札する提案が行われ、IOCもそれを受け入れたということのようです。なお、入札の時点では51の国・地域が対象となっていましたが、その後ロシアとベラルーシが除外されたため、49となっています。
金額はまだ明らかになっていません。ディスカバリーは4大会合計13億ユーロで契約したとされていますが、今回はそれを上回っているのでしょうか。前回のヨーロッパ開催は2024パリ、今回は2026年ミラノ・コルティナがありますが、夏季と冬季の差を考えると大幅な増加は難しそうにもみえます。
なお、アメリカのNBCは2022~32年の6大会で76.5億ドル。日本のジャパンコンソーシアムは2026~32の4大会で975億円の契約を結んでいます。
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