米Bally Sports Networkが破綻か。

アメリカのスポーツ専門ローカル局のネットワークである、Bally Sports Networkが破綻の危機にあると報じられています。運営会社のDiamond Sports Group(以下DSG)が、チャプター11(連邦破産法11条、日本の民事再生法に相当)の適用を申請する準備があると報じられています。負債は86億ドルにのぼるとのことです。

DSGの経営状況が悪化していることは以前から明らかでした。テレビ視聴者が離れる一方で放映権料は上昇し、DSGがケーブルテレビ局などに課す料金も高くなっていました。そうなると、さすがに負担に堪えきれず放送をやめるところも増えてくるわけです。視聴者からの不満も高まり、よりスリムなパッケージが求められることになります。


いわゆる4大プロスポーツのうち、ローカルも地上波で放送しているNFLだけは無傷ですが、MLB・NBA・NHLは放映権をBally傘下のローカル局に販売しているチームが多く、救済に動いていると報じられたこともあります。もちろんカレッジスポーツなどにも影響が生じます。


もしDSGが破綻となれば、直ちに放送がなくなるというわけではありませんが、放映権を販売する側も当然痛みを伴うことになります。現在結ばれている契約については内容を見直すか、解除するかの選択を迫られるでしょう。

昨年には自ら配信サービス「Bally Sports+」を立ち上げ、またネットテレビサービスのFuboTVと再び手を結ぶといった動きがありましたが、即効性があるわけではありません。もちろん、地元に密着したスポーツを放送するメディアが引き続き重要であることには変わりないのですが、やはり際限なく上がり続ける放映権料には歯止めがかけられて然りです。

日本だと、どうしてもエンゼルスの放映権を持つBally Sports Westの今後に関心が行きがちですが、繰り返しますが直ちに放送がなくなるわけではありません。そして、日本から支払われている放映権料はMLBに直接入るので、日本の放送にも影響はありません。今後、Bally Sportsが放映権を失うことになれば、他の放送局に移るだけです。あの名物アナウンサーさんの声は聞けなくなってしまうかもしれませんが…。


そして、SNSの声を聞くと、これもまた例の「野球vs.サッカー」の煽り材料に使われているというのが実に残念なことです。先に触れた通り、野球だけでなく他のスポーツにも影響していますし、ローカルスポーツをどう盛り上げていくかというテーマは、日本でもJリーグを始めさまざまな競技が抱える課題と共通しているのです。

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