ディズニーもリストラ。印クリケットの放映権移動が遠因?
ディズニーが昨年10~12月期の決算を発表。ストリーミング事業で10.5億ドルの赤字となり、7,000人の人員削減を行うことを発表しています。
IT企業での人員削減の発表が相次いでおり、ディズニーもこの流れには逆らえなかった形です。削減された人たちが適性を活かしたところに再就職できることを願います。
さて、この記事には以下の記述がありますので簡単に補足しておきたいと思います。
ストリーミング事業では「ディズニー+(プラス)」会員数が1%減の1億6180万人。クリケットに関する放映権を失ったインドの「ディズニープラスホットスター」で解約が相次いだ。
2017年に、当時は21世紀FOXの傘下だったスター・インディアが、クリケットのIPL(インディアン・プレミアリーグ)の放映権を落札しています。5年契約で総額1,634億ルピー(約2,600億円)という金額です。その後、ディズニーが21世紀FOXを買収したことでスター・インディアはディズニー傘下の「ディズニー・スター」となります。
2020年3月にdisney+がインドに進出した際には、スター・インディアの配信サービスである「hotstar」に載せる形をとっており、「disney+ hotstar」となりました。disney+はスポーツの配信を取り扱ってはいませんが、hotstarを通じてIPLを含む各種スポーツの配信が行われています。
昨年、IPLの2023年以降の放映権に関する入札が行われました。今回の入札ではテレビ向けの権利とストリーミング向けの権利が分割され、前者は引き続きディズニー・スターが落札しましたが、後者はViacom18が落札しています。
ですから、ディズニーが失った放映権とはストリーミング向けのものであり、disney+のほうで解約が大量に発生したというのはある意味当然のことなわけです。それにしても、グローバルで会員数が減るというのはなかなかのインパクトですね…。
ディズニーの落札額は5年総額で2,537億ルピー(約4,050億円)であり、一部権利を失っても負担はさらに増えています。Viacom18の落札額は2,050億ルピー(約3,300億円)です。1試合あたりの放映権料ではサッカーのプレミアリーグを上回り、NFLに次ぐとされるIPLの人気ぶりが分かるかと思います。もちろんインドの人口の多さも。
0コメント