Bally Sportsに続き、WBD傘下のローカル局も破綻危機。

ワーナーブラザーズ・ディスカバリー(以下WBD)傘下のローカルスポーツ放送局である、AT&T SportsNetにも破綻の可能性が報じられています。


ピッツバーグ、デンバー、ヒューストンに本拠を置く3つの放送局が対象で、中でもヒューストンのAT&T SportsNet Southwestは昨年ワールドシリーズで優勝したアストロズの放映権を持っており、大きな影響が出そうです。


3局は今季の放映権料の減額を申し入れており、またWBDも資金援助は行わない方針だそうで、3月中に交渉がまとまらなければ破綻する可能性があるとのことです。Bally Sportsはチャプター11(日本の民事再生法に相当)なのに対し、こちらはチャプター7(会社更生法に相当)ですからより重い話になります。

WBD傘下なのにAT&Tという名前が付いているのが複雑なのですが、かつてAT&Tがタイムワーナーを買収した際の名残りです。タイムワーナーは売却され、ディスカバリーと合併してWBDが誕生しています。


合併後のWBDはコスト圧縮に必死であり、AT&T SportsNetを切り離そうとしています。いわゆるRSN(Regional Sports Network)のビジネスモデルがまた揺らぐ形となっています。


MLBの30チームのうち、Bally Sportsが放映権を持つのが14チーム、そしてAT&T SportsNetが3チームで、全体の約3分の2が影響を受けることになりそうです。いったんはMLBが権利を引き受け、ストリーミングで直接配信する形に移行することが想定されます。


影響を受けていないチームでは、例えばヤンキースのYES Networkのように球団自体が放送局に出資しているところも多く、単に権利を売るだけではなく、放送に積極的に関与していく方向性もあります。MLBだけでなく、NBAやNHLにも影響は及んでおり、ローカルの放映権ビジネスが大きく変わる年となりそうです。

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