【ジロ・デ・イタリア】魔の山とブラックアウト事件

今夜はいよいよ魔の山・ゾンコラン。そして第18~20ステージは総合順位を決める超級山岳3連戦。

山岳での激しい戦いに大きな期待が集まるが、それとともに心配なのが「映像が届くか」である。なにしろ、第9ステージの超級山岳で「ゴール直前に映像がブラックアウトする」というとんでもない事件が起こってしまったからだ。

サイクルロードレースでは映像が途切れること自体はあまり珍しくないことなので、それもアクシデントのひとつとして楽しんでしまうファンも多いのだが、慣れてない人にとってはそりゃ怒るでしょう。

また、映像が途切れる場合でもゴール近くの定点カメラなど、生きているカメラの画像でしのぐのが普通なんだけど、真っ黒になってしまうというのは本当に異常事態。

別府始さん情報によると、DAZNだけでなく、アメリカのfuboTVでも同様の事件が起こったとのこと。FuboTVについては以前も取り上げたことがあるけど、ケーブルの代わりにインターネット回線を使ったテレビサービス。その中にサイクリングチャンネルがあって、今年のジロ・デ・イタリアを独占配信している。

フランスでも同じことがあったそうで。レキップはツール・ド・フランスを運営するASOの親会社にあたるスポーツ新聞の会社。そこがテレビ局も保有しているのだけど、ネットのストリーミングサービスが落ちたとのこと。日本で言えば、JSPORTSは無事だったけどJSPORTSオンデマンドが落ちたという例えが近いか。

通常、サイクルロードレースでは地上のバイクカメラや低空を飛ぶ空撮用ヘリの映像を受けるために、もっと高度の高いところにヘリや飛行機を飛ばしている。そこでいったん電波を受けて、中継局へと送る。その中継局は山の中にあったり、高い建物だったり、はたまた衛星回線を利用したりする。

しかし、山岳ステージにおいてはどうしても死角が生じるなどの理由で電波を送るのが難しい。そのため映像が届かない自体が生ずる。さらにひどいケースでは、濃霧などの悪天候でヘリ自体が飛べないことがある。そうなるともうゴール付近のカメラでつなぐしかない。ゴール付近には中継車が置いてあるので、そこから辛うじて電波を送ることができる。


しかし、今回の事故はこれで説明することができない。テレビ放送がOKでネット配信がダメだったということは、国際映像を受信してネット回線に流すところで何かが起きたということ。そして、その場所は個々の配信業者が持っているのではなく、各社が共同で使っているところにあるということが推測される。


それがどこなのかまではさすがにわからない。いわゆるCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の業者なのだろうか。CDNの最大手といえばAkamai社で、fuboTVも契約しているし、DAZNもAkamaiを含む数社と契約しているようだが、もちろん勝手にAkamaiを犯人にするわけにもいかない。結局、この事件の真相もブラックアウトとなりそうだ。


まぁ、おそらくDAZNが単独で悪いというわけではないでしょう。その後ハイライトで途切れた部分の映像を補完していたので、自分の中ではとりあえず許すことにしました。甘い?

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