【速報】JリーグとDAZNの放映権契約が見直し。

WBCが終わっても、今度は年度末ということでいろいろ発表が出てくるのですが、これまた大きな話です。JリーグがDAZNとの放映権契約を見直し、新たに2033年までの契約を結んだと発表しました。主な内容は以下の通りです。


  • 2023~33年の11年契約、総額2,395億円
    • 従来は2017~28年の12年契約、総額2,239億円。レベニューシェアの扱いに変更あり
  • 2024年からJ3が対象から外れる
  • テレビ地上波での試合中継をより多く行う

従来の12年契約のちょうど中間にあたる今年は、見直しがあってもおかしくない年でした。年明けには何らかの異変が起こっていることを示唆する情報も出ていました。


プレスリリースにある通り、Jリーグ・DAZNともにトップが入れ替わりました。とくにDAZNの新体制は従来の経営戦略を大幅に変えています。日本を含む各国で値上げを実施したことは記憶に新しいところですが、その成果もあって2024年には黒字化も視野に入ってきました。


その一方で、Jリーグのファン増加は伸び悩み、日本での加入者も想定通りには増えていないのでしょう。2028年の契約満了を待ってる余裕はなく、日本市場のテコ入れは必須でした。

契約期間が5年延長されたことは、Jリーグの財政面では安定をもたらしますが、その一方で2029年以降に放映権料をさらに増額させる計画は外れたことになります。DAZN以外の業者を含めて入札で競わせる手はありますが、現状ではこれ以上の条件を出す業者が現れる見込みは薄いということでしょう。もちろん、この契約自体もまた見直される可能性もあるわけですが。


J3が契約対象から外れることは「切り捨て」と受け取られるかもしれませんが、それでも年平均で200億円を超える放映権料を確保できたとも言えます。まぁ、DAZNにとっては正直重荷だったのでしょう。そこは視聴データからシビアに見られてしまいます。海外の事例をみても、1~3部リーグの放映権を一括で契約しているケースはほぼ見当たりません。


J3の来年以降の放送については「無料放映を含めて最適な放映形式を検討する」と書かれており、ローカル局やCATVでの放送や、YouTube等での配信なども視野に入ることになります。これについては今後の発表を待ちたいところです。


テレビでの露出を増やすという話は、昨年のワールドカップ予選が一部DAZNの独占配信となったあたりから頻繁に叫ばれてきました。今年はローカル局で番組を制作するといった策も講じられています。しかし、基本となるのは試合の中継であることは言うまでもありません。

ただ、もともとDAZNとの放映権契約にはテレビの無料放送が含まれていなかったはずです。ですから「DAZNが放映権を独占してるからテレビで放送されない」といった批判は本来的を射たものではありませんが、それにも関わらず、プレスリリースで「テレビ地上波での試合中継」について言及していることには大きな意味があると考えざるを得ません。


さすがに無制限で何試合でもテレビ中継ができるというわけではなさそうです。いわゆる金J(フライデーナイトJリーグ)はDAZN独占となっていましたし、その他にも制約があったのかもしれません。その内容までは知る由がありませんが、少なくともその制約が来年以降緩和されることは期待してよいかと思います。


ですから、J3に限らず、J1・J2でも中継が増えることが期待されますが、具体的にどんな方法を使って増やしていくのか。放映権料の引き下げだったり、キックオフ時間にテレビ局の意向を反映させるといったことは考えられますが、それ以上にどんな施策が打たれるのか。これも引き続きウォッチしていく必要があります。

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