電通、DAZN株323億円の評価損を計上。

電通の2022年12月期の有価証券報告書が公表されました。この中で、DAZNへの投資に関連して323億円の「関係会社出資金評価損」を計上したことが記載されています。

この事実は昨年11月14日に公表済みでした。これまで気づかずすみません。


電通は子会社であるGlobal Sports Investments社(以下GSI)を通じて、DAZN Group Limited社に出資していますが、世界的なIT企業の不況にともない、株式価値を再計算した結果、評価額が著しく低下したと認められました。


DAZNは非上場のため、この評価額はあくまで帳簿上のものであり、直ちに電通の業績に影響するものではありませんが、DAZNはいったん停止していたロンドン市場への上場計画を再開する意向を見せています。もし上場した場合には、改めて時価で評価されることになります。

前回(2021年12月期)におけるDAZN株の評価額は約370億円でしたが、今回は約65億円と大幅に低下しています。DAZNという文字は有価証券報告書から消えているのですが(p.96参照)、「スポーツに関連するデジタルコンテンツの配信事業関連銘柄」として記載されています。こんな長い説明だったら名前を書いてもいいような気もしますが。

話はそれますが、その隣に書かれている「球場運営業務関連銘柄」とは、先日オープンしたエスコンフィールド北海道を運営する「株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」のことだと考えられます。日本ハム球団や、日本ハム本社などとの共同出資で作られた会社です。

2021年末にDAZNは親会社であるAccess Industriesから総額43億ドルにのぼる資金援助を受け、累積債務を一掃しています。この際にAccess社に新規株式が割り当てられたため、相対的に電通の持ち株比率は低下し、価値も減少したものと考えられます。


また、昨年11/30付で電通から役員として派遣されていた中村光孝氏が退任しており、現時点で後任にあたる役員はいません。これらのことから、電通のDAZNへの影響力は低下していると考えられます。

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