GYAOが去り、U-NEXTの時代到来か。

3/31に「GYAO!」がサービスを終了しました。いまはヤフー傘下ですが、かつてはUSENが始めたサービスだったことはよく知られる話です。無料動画が行き詰まりヤフーへ譲渡。有料の「GyaO Next」は残り、現在のU-NEXTへとつながっていきます。


折しもFAST(広告付き無料ストリーミング)のビジネスモデルが見直されている中で、GYAOが撤退してしまうのはちょっと惜しい気もしますが、ヤフーとしても社運をかけてレッドオーシャンに突っ込むつもりはなかったのでしょう。


ということで、USEN(現在のUSEN-NEXT)の宇野社長が共同通信のインタビューに答えていました。最近のU-NEXTの勢いはすごいですね。

この記事では、U-NEXTの戦略について「百貨店戦略」と説明されています。かつてロングテールと呼ばれたものと考え方は似ているかと思います。


とにかく品揃えを重視。ひとつひとつは他のサービスにあるものだとしても、それをまとめて1か所で提供すれば便利ですし、数が増えれば他のサービスが取り扱わないものも存在している。大きな声では言いにくいけどアダルトも取り扱っています。


【PR】以下のバナーからU-NEXTに加入すると、1,200ポイントが進呈され、SPOTV NOWが1か月間実質無料で視聴できるとのことです。(通常は600ポイント)

また、2~3番手をめざす戦略も掲げています。一人のユーザーが契約するサブスクが2~3個だとしたら、1番手にはなれなくても2~3番手に選ばれるサービスであれば生き残れるというわけですね。


この記事でも紹介されていますが、動画配信サービスの日本国内におけるシェアをみると、Netflixが大きく差をつけてトップにありますが、U-NEXTはAmazonプライムビデオと2番手の座を争っていることが分かります。


この統計は金額ベースであり、U-NEXTとAmazonでは料金が大きく違うことに留意する必要があります。DAZNは値上げによって結果的にシェアを拡大していますし、無料配信が中心のABEMAは順位としては下に位置しています。

スポーツコンテンツにおいても攻勢をかけているU-NEXT。Netflixには勝てないとしても、2番手の位置は確保したいところです。でも、放映権料が高騰する中で他社のように赤字覚悟で投資をしているという印象はありません。黒字を出しながら堅実に運営している感があります。むしろ他社が勝手に失速したところを的確に突いているようにも見えます。


HBOやパラマウントなど外資の大手コンテンツ企業と築いたパイプはスポーツコンテンツにも活きています。ゴルフのPGAツアーは、放映権を持つGOLFTVの撤退によって譲り受けたものですが、GOLFTVの運営がHBOと同じワーナーブラザーズ・ディスカバリーであったことと無関係ではないでしょう。また、格闘技のベラトールはパラマウント傘下です。

昨年はシーズン途中からJLPGAツアーの配信を開始し、今年も続行していますが、この契約を取り持ったのは大手代理店のIMGだとされています。同じくIMGが抱えているコンテンツの中にUFCがあり、これも最近になってU-NEXTが獲得しました。今後もIMG経由でのコンテンツ調達は充分考えられるところです。

いまのところゴルフと格闘技が中心のラインアップですが、SPOTV NOWを引き入れましたし今後は他の競技への拡大が期待されます。IMGのラインアップからだと、個人的な希望になっちゃいますけど、NHL、NASCAR、陸上のダイヤモンドリーグあたりは候補にあがってもいいのでは…と。


まぁ引き続き、堅実路線を続けながら他社の疲弊を待つことになるでしょう。ただ、巨大な資本力を獲得すればまた話は変わってきます。あくまで日本独自のサービスとして展開していく方針だとは聞きますが、大手外資の資本が入ることも充分に考えられるわけで、1年後にどんな姿になっているのか、まだ想像がつきません。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000