囲碁・本因坊戦が規模縮小。将棋は羽生会長誕生へ。
囲碁のタイトルでもっとも長い伝統を持つ本因坊戦が、来年から規模を大幅に縮小することが発表されました。
主催の毎日新聞社の意向によるもので、新聞業界全体が苦境に陥る中、遅かれ早かれこのような事態が起こることは予想されていたものの、本因坊戦がその対象になったというのはやはり驚きです。
囲碁や将棋は新聞社によって支えられてきました。もちろん危機感がなかった訳ではなく、新聞社以外のスポンサー獲得に努めてきましたが、将棋と比べても囲碁が後れをとっていたことは間違いないでしょう。
将棋界にとっても対岸の火事ではなく、いまのブームは藤井聡太六冠によって支えられているものであり、八冠独占達成が近づく中でそのブームも終焉が見えてきています。いまのうちに手を打っておかねばなりません。
日本将棋連盟の佐藤康光会長は、6月の任期満了をもって退任することを発表しています。もともと2年前に退任するつもりだったが、コロナ禍対応などのためにもう1期やることにしたということのようです。
新会長は次期の理事が選任された後に決定しますが、理事候補として羽生善治九段が立候補の意向を示しているとのことで、選ばれればそのまま会長に推されることとなりそうです。
現状考え得る限りの最高のカードである一方、先日まで王将戦に挑戦するなどいまだトップクラスの実力を兼ね備えており、このタイミングでの就任を惜しむ声も大きいようです。現役を引退するわけではありませんが、公務で研究の時間は確実に削られることになります。
これまで理事の経験もなかった羽生九段にどんな心境の変化があったのかは、今後本人の口からも語られることになるかと思いますが、来年は将棋連盟発足100周年の節目にあたり、東西の将棋会館を移転するプロジェクトも進んでいます。自分がやらないと、という気持ちが大きいのかもしれません。迷うなら先手必勝といったところでしょうか。
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