UFCがESPNに移籍決定。そしてESPN+とは
現在FOX Sportsで放送されている総合格闘技・UFCの大会が来年(2019年)からESPNで放送されることが決定した。
契約期間は5年間(2019~2023年)、金額は$15億。すなわち1年あたり$3億となる。
UFCの大会構成、ならびに課金体系はとても難解なものとなっている。私も正直読んでいてよく理解できなかったので、間違いがあったらご指摘ください。
まず、大会は後ろに数字がつくナンバー大会(次回はUFC 225)と、その次のクラスにあたる「ファイトナイト」がある。さらにその中で、メインカード数試合と、前座のカード。さらに、サブスクリプションサービスである「ファイトパス」のみで見られる「前座の前座」カードに分かれている。
課金体系は、FOX Sportsでの無料放送、前述のファイトパス、そしてPPVがある。例えばナンバー大会であれば、前座の前座はファイトパス専用、前座は無料放送、メインカードはPPVといった感じで使い分けられる。
今回ESPNが獲得した放映権は、ファイトナイトの年間30大会と、PPV12大会の前座カード。つまり現在のビジネスモデルは基本的に維持される。また、30大会のうち10大会のメインカードはテレビで、残り20大会はOTTサービス「ESPN+」限定での配信となる。
「ESPN+」は今年4月に始まったばかりのサービスで、料金は月$4.99または年$49.99。CATV離れ(いわゆるコードカッター)が進む中で打ち出された新たなサービスであるとともに、コンテンツを増やすことで付加価値を生み出している。
さて、日本的な関心としては、DAZNとUFCの関係はどうなるか。DAZNとUFCは2年契約を結んでいたが、今度の夏に終了する。それ以前に、この春からナンバー大会の配信は終了しており、ファイトナイトのみとなっている。
この状態では契約更新は望み薄と思われていたが、もしかしたら状況が変わるかもしれない…という期待も若干ある。DAZNはアメリカでのサービス開始を予告しているため、アメリカでUFCが配信される可能性はゼロだが、日本向けはまた別の話。また、UFCの親会社であるIMG社はDAZNと良好な関係にある。
とはいえ、UFCは今後もPPV・ファイトパス・無料放送という3本柱のビジネスモデルを変えることはないだろう。むしろナンバー大会をDAZNでも見せてくれたことのほうが大サービスだと考えたほうがよい。契約が更新されたとしても、現在のようなファイトナイトのみの配信になるというのが、現時点での予想である。
DAZNはあくまでも競技に興味をもってもらうための入り口であり、さらに深く入り込みたければよりプレミアムなサービスに誘導する方法はもちろんあり。ただ、何パーセントの人が契約してくれるかは未知数。それだけリスクがあるが、UFC的には勝算があるのだろう。
とはいえ、ファイトパスで見られるカードには日本語コメンタリーがついていないという話もあるため、そういったコンテンツの質の充実も求められることは言うまでもない。
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