カーリング世界選手権、映像製作の舞台裏。
先のミックスダブルス世界選手権では「チャッスー」こと松村・谷田組が銀メダル獲得という快挙を成し遂げたカーリング。日本ではNHKで中継されたのですが、映像製作の舞台裏を描いた記事がWCF(世界カーリング連盟)の公式サイトに掲載されました。
世界選手権の放送には平均して50万ドルのコストがかかると記されています。クルーは約40人とのこと。ミックスダブルスの世界選手権は8日間の日程で行われました。準備と撤収をあわせて10日と仮定しても、40人を10日間拘束する人件費はかなりの割合を占めることになります。
また、カーリングの世界選手権は男子、女子、そしてミックスダブルスと別々に開催されていますので、単純に考えて3倍以上のコストが必要ということになります。
今回、NHKが放送したのは1次リーグ9試合のうち4試合と準決勝・決勝でした。なぜ全試合が中継されないのか…という声もありますが、結局のところ予算とクルーの割り振りの問題です。同時に複数の試合が行われるカーリングでは、他に注目の試合があればそちらにクルーが割り当てられ、日本戦の中継は難しくなります。
この記事では全試合の映像を製作しているものの、3段階のクオリティが存在することを明らかにしています。フルスペックのもの、簡易的なもの、そして固定カメラによる映像です。全部の試合をフルスペックで製作することはできません。それを実現するためには、もっと多くの国でカーリングの人気が高まり、多くの放映権料を獲得しないといけません。
映像はRecastというサービスで配信されています。Recastは基本的にはPPVで動画を購入するサービスですが、広告を視聴することによってポイントを貯めることもできます。日本カーリング協会もRecastで試合を視聴する方法を紹介していました。
Recastのカーリングチャンネルの登録者数は約44,000人だとのこと。この数字をどう考えるか。国際的なスポーツとしては少ないかも…という印象を持ちますが、これが決してメジャーとは言えないスポーツの現在位置です。それでも、限られた予算の中で映像を届けようという努力の跡が見えます。
「氷上のチェス」と称されるカーリング。日本だと、囲碁や将棋の棋譜をみながら一喜一憂する楽しみも存在します。固定カメラの映像を眺めながら、想像を膨らませることができれば、あなたも立派なカーリング沼にはまったファンだと言えるでしょう。
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