女子W杯の放映権問題、開催国豪メディアに気づかれる。
「ゲキサカ」が掲載した以下の記事なんですが、どうも違和感がたっぷりです。どこが変なのかは後で記すことにします。
まず、この記事はオーストラリアのメディアの記事を引用する形で、日本においていまだに女子ワールドカップの放映権が決まっていない件について、FIFA幹部のロミー・ガイ氏が嘆いていると書かれています。
ヨーロッパの5大国で放映権が決まってない問題については以前記事にしました。これらの国でもまだ進展はありませんので、なにか決まればまた記事にしていきます。
話を戻して、記事への違和感について書きますと、この記事はオーストラリアのスポーツ系メディアであるCode Sportsがオリジナルであり、提携メディアであるDaily Telegraghが同じものを載せているのですが、だったら最初からCode Sportsの記事を引用すればいいのに・・・と思ったのが最初でした。
※元の記事は以下のリンクをご参照ください。
しかし、これだけにとどまりません。その次に「日本は放送問題が最も多い国だ」とロミー・ガイ氏が「断定」したことになっているのですが、元の記事を読んでみると、これってガイ氏が発言したわけではなく、単なる記事の見出しなのです。その見出しも原文は"Japan the latest country with broadcast issues"であり、「問題が最も多い国」ではなく「問題を抱える最新の国」と訳すべきでしょう。
つまり、この記事は女子ワールドカップのホスト国であるオーストラリアのメディアが、日本の放映権がまだ決まってないことに気づき、FIFAのガイ氏に取材したものなのですね。時差のあるヨーロッパはともかく、日本でまだ決まってないというのは不思議に感じることでしょう。
「国際サッカー連盟(FIFA)の幹部から批判の声が上がる」と書かれていますが、ガイ氏はこの状況を「悲しい」(This is why it saddens me)と発言しているものの、批判と言い切ってしまうのはどうなんだろう・・・とも思います。そして、最後の段落に記されているこの発言ですが、元の記事には存在すらしていません。どこから出てきたのでしょうか。
ロミー・ガイ氏によると、日本では男子W杯と女子W杯の視聴者数は10倍程度の差がある一方、提示額はさらに大幅に開きがあるといい、「日本の放送局に対して、女子サッカーの価値を認め、われわれの試合に見合った対価を支払うよう求めたい」としている。
ヨーロッパにおける男女の視聴者数と放映権料の提示額の開きについては、過去にも報じられています。その一方で、日本についての状況は明らかになっておらず、情報が待たれるところではあるのですが、正直なところこの記事は信頼するに足らないという感想です。
ガイ氏が他のメディアでそう発言しているのであれば、そちらを引用してくれればよいし、もしゲキサカが直接取材しているのであればそう書いてくれれば貴重な情報となるのですが、結果的にはとても残念な記事になっているように思われます。
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