タイリーグの放映権入札も不調。3年で1/20に。
セリエAの国内放映権の入札が不調であることはお伝えしていますが、タイでも国内リーグの放映権入札が不調であると報じられています。
しかも不調っぷりが半端ではなく、昨シーズンまでの放映権料が年間4億バーツだったのに対し、今回の入札では応じたのが1社のみで、なんと5,000万バーツになってしまったとのこと。(※1バーツ=約4円)
あまりの激減にクラブ側は怒り心頭。リーグによる放映権の一括管理を破棄し、1部リーグの16クラブが共同で新会社を立ち上げ、各種商業権を管理する案が検討されています。
2020年まで放映権を持っていたTrueVisionは年間10.5億バーツを支払っていたとされますが、契約最終年にコロナ禍でリーグが中断。これをきっかけに両者の関係が悪化します。リーグ側は9月に試合を再開すると、シーズンをいわゆる「秋春制」に変更したのです。
この決定にTrueVisionは激怒し、契約が切れる10月をもって放送を終了しました。放送は暫定的にNBT(タイ国営放送)に引き継がれましたが、大きなしこりを残すことになります。
2021年からの放映権も混乱に陥ります。入札に勝利したZense Entertainment社が、コロナ禍による経営悪化を理由に権利を放棄したのです。替わって大手通信会社のAISが契約を結びましたが、8年契約のはずが2年となり、年間15億バーツになるはずだった放映権料は、上述の通り4億バーツに下がってしまいました。
※↓の記事ではAISがZenseと同じく8年契約を結んだと書いてあるのですが、これは誤りでした。すみません。同じ記事中に、タイサッカー協会が代表戦について代理店のSportfiveと8年契約を結んだという記述があり、こちらと混同していました。
昨年のFIFAワールドカップでも放映権をめぐる混乱がありました。FIFAと代理店のinfrontによる強気な交渉もあり、契約が結ばれたのは開会3日前。政府が一部資金を拠出するという事態に追い込まれました。
タイリーグの国内事情にはさすがに明るくないのですが、こういう事態が続くというのは、タイのサッカー市場が飽和していることの表れと言えます。海外サッカーの放映権料が上がれば、その分国内が割を食うのです。
日本だって対岸の火事ではなく、Jリーグのアジア戦略に影響を及ぼすことになるでしょう。先日、川崎フロンターレに所属していたチャナティップ選手の帰国が伝えられましたが、日本とタイの人材交流が途絶えれば、放映権料収入もまた得られなくなります。
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