DAZN、ata footballを買収し女子サッカー界に君臨。

DAZNは、女子サッカーのメディアを運営している「ata football」を買収したと発表しました。


ata footballは2020年、アメリカで二人の女性によって設立された会社で、フランス・ドイツ・イタリアのリーグの放映権を取り扱い、テレビ局に販売するほか自らのWebサイトでも配信を行っていました。


一方、DAZNはこのところ女子サッカーの強化を進めており、欧州CLやスペインリーグの放映権をグローバルで獲得しています。この両社は今後、女子サッカーの人気を高めていく過程でライバルとして切磋琢磨していくのかと思われましたが、ここに来て合体となりました。

買収金額は「ごくわずか」だと報じられています。つまり、ata footballの経営状況は順調ではなかったと言えるかもしれません。


女子サッカーのプラットフォームとしては、スウェーデンの企業が立ち上げた「Wnited」もフェードアウト状態で、マネタイズという観点からはまだまだのよう。ただし言い方を変えれば伸びしろが大きいわけで、大資本のもとでやっていくのもひとつの判断です。


両社の持つ放映権が組み合わさることで、女子サッカーの配信においては他の追随を許されないレベルに達しましたので、あとはマネタイズを志向するのみです。

DAZNが持つ欧州CLの放映権は4年契約で、前半2年はYouTubeで全試合無料配信されましたが、3年目を迎える今シーズンについては有料化となります。それゆえに、女子ワールドカップがクライマックスを迎えようとするこのタイミングで発表したことには大きな意味があります。


スペインでは女子サッカーに特化した廉価プラン「DAZN Victoria」を開始しています。同様の動きが他の国でも起こることが考えられます。

ドイツでは「DAZN RISE」という広告付きの無料チャンネル(いわゆるFAST)を開始しました。まだ課金モデルへの移行は早いと考えるならば、FASTもまた有力な選択肢であり、これも他の国へと広がっていく可能性は高いです。

女子サッカーの人気が徐々に高まっていることは確かなものの、それをビジネスにつなげていくことがやはり大切です。FIFAは今回の女子ワールドカップを通じて待遇改善を進めていますが、それはあくまで代表活動の範疇であり、選手たちが普段の所属クラブでの活動で充分な待遇を得るためには、これからすべきことがたくさんあります。


DAZNとata footballはこれまで布石を打ってきたわけですから、投資をきちんと回収してビジネスを成功させる義務があります。ということで、筆者からのお願いとしては、やはりWEリーグを海外にも配信してほしいところです。

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