AFCだけじゃない。CAFも放映権契約を解除。

先日は、AFC(アジアサッカー連盟)がFMAとの代理店契約を解除した件を取り上げましたが、CAF(アフリカサッカー連盟)もカタールのBeIN Sportsとの放映権契約を解除したという話です。


9月1日付でCAFが契約解除を発表。理由として8,000万ドルの未払いをあげています(1億ドルという報道もあり)。BeIN側はこれを不服として法廷闘争に出る構えです。

2017年、両社は12年間で総額4.15億ドルの契約を結びました。対象はいわゆるMENA(中東・北アフリカ)諸国とフランス、アメリカを含む40か国あまりです。


BeIN側は、アフリカネイションズカップの日程がたびたび変更されたことで、契約の価値が毀損されたと主張しています。2021年6月に予定されていたカメルーン大会は暑さを理由に1月に前倒し。その後コロナ禍により2022年1月に延期されています。2023年6月に予定されていたコートジボワール大会は雨期のため2024年1月に延期されました。


従来は1月に開催されていた大会ですが、2019年からは6月に変更されています。にも関わらず、2大会続けて1月に変更されたことになります。コロナ禍は不可抗力だと言えそうですが、こちらはCAF側の運営に問題があり、BeIN側が不満を覚えるポイントです。


また、BeINはCAFが違法視聴の撲滅に消極的であると考えているようです。BeINは国交が断絶したサウジによる海賊放送「beoutQ」に悩まされた経験を持ちます。現在サウジとは和解していますが、この経験から海賊版対策には強い態度を示しています。


さて、CAFの放映権は以前から問題を抱えていました。2019年には、ラガールデールとの代理店契約を破棄しています。これもどうやら政治的な背景がありそうです。BeINも元々はラガールデールを通じて放映権を買ったようですが、現在は直接契約を結んでいます。

2019年に始まったワールドカップ予選では、放映権の一括管理を主張する国と、自国での管理を主張する国が対立。FIFAが自らのサイトで一部の試合を直接配信しています。

この時、FIFAがCAFに直接介入する形となりました。2021年に行われたCAFの会長選挙では、FIFA肝入りの候補であるモツェペ氏が当選しています。

昨年にはアフリカ・スーパーリーグの発足が発表されました。FIFAのインファンティーノ会長もお墨付きとのことですが、これもまた難航。大会名はAFL(アフリカ・フットボールリーグ)となり、当初よりも規模が縮小。10月に8チームによる大会が開催される予定とのことです。

次回は当初計画していた24チームで開催したいとのことですが、先行きは不透明です。そして、このタイミングでBeINと契約を解消した以上、次なる放送局は決まっていません。


CAFの政治的な基盤は脆弱であり、そこにFIFAが入り込んできています。FIFAもUEFAとの緊張関係が続いており、他の大陸を味方に引き入れたいということでしょう。CAF内の権力争いは、そのまま世界のサッカーにも少なからず影響を及ぼすことになります。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000