【MGC】視聴率と赤崎選手の参加資格

昨日開催されたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)。大雨というあいにくのコンディションでしたが、悪天候が川内優輝選手の「大逃げ」を生み出し、レースとしてはとても面白いものになりました。

視聴率は、男子(TBS)が12.3%、女子(NHK)が9.5%と発表されています。4年前は男子16.4%、女子13.5%だったので、それよりは低い水準ですが、東京五輪ほどの関心はもちろんありませんので、合わせて20%を超えたのは上出来なレベルかと思います。雨で在宅率が高まったこともプラスでしょう。

男子で2位に入った赤崎暁選手はダークホースと言えます。マラソンの自己ベストは2時間9分1秒。MGCの記録は2時間9分6秒で、わずかに超えることはできませんでした。


パリ五輪のマラソンの参加標準記録は2時間8分10秒(女子は2時間26分50秒)に設定されていることから、一部では赤崎選手の出場を危惧する声があったようです。これについては、おそらく問題ないかと思います。

マラソンの出場枠は80人で、各国3人までとなっています。出場枠の半分は標準記録をクリアした選手、残り半分は世界ランキング上位の選手に割り当てられるため、標準記録をクリアしなければ出場できないわけではありません。


そして、マラソンに限っては特例が設けられており、2時間11分30秒(女子は2時間19分30秒)をクリアした選手であれば、各国の裁量によって出場枠を入れ替えることが可能です。もし赤崎選手が世界ランキングで枠を取れなかった場合にはこの条項が発動されることになります。

来年1月30日の時点で出場枠の80%が配分されるスケジュールとなっているため、この時点で日本が3枠を得ることが確定する見込みです。現在の世界ランキングでは80位以内に日本選手が3人おり(其田・大迫・山下)、そこからケニア・エチオピアの選手がごそっと抜けますので不安視する必要はありません。逆に言えば、この3人が揃って負けるのがマラソンの厳しさです。


今回は大丈夫でも、将来日本男子のマラソンのレベルが低下し、3枠を確保できなくなったときが問題となってきます。その場合、現行のMGCの枠組みは成り立たなくなり、選考ルールを見直す必要が出てきます。川内選手が言った「自分に負けるようでは暗黒時代」が現実となりませんように。

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